ベイトリールに比べ、キャスト時のライントラブルが少なく、その扱いやすさから入門用としても人気なのがスピニングリール。
ですが、ラインがヨレてスプールからピョン吉がコンニチワしてたり…
原子マークみたいにグシャグシャに絡んで結びコブができちゃったり(バックラッシュ)することは無いですか?
この煩わしいバックラッシュのおかげで、貴重な時合を逃したり、ラインが足りなくなって釣りが続行不能になったりなんて…アルアルですよね(苦笑)
本記事では、スピニングリールで起こるライントラブルの原因と対処法について解説してまいります。
Contents
まずは自分の所作をチェックしよう
道具を疑う前に、まずは自分の所作に問題が無いかをチェックしてみましょう。
「トラブルばっか起こしやがって、このクソリールめ!」と、リールのせいにして買い換えても、原因を知らなければ次のリールでも同じ目に…
上級者ほどライントラブルとは無縁!
ちょっとした心がけの積み重ねで、ライントラブルの大半は回避できるんです。
フェザーリングの重要性
キャスト後に、スプールエッジを軽く抑えてブレーキをかける事をフェザーリング(サミング)と言います。
特に、軽いルアーを使っている時や、強風時には必須のテクニックです。
フェザーリングを覚えると余分な糸ふけが出ないので、着水直後に巻き始めなくてはならない時や、着水と同時のバイトにも対応できるようになります。
ブレーキをかける指は、キャストする側の手の人差し指で行うか、フリーになっている反対側の手の親指を使います。
持ち手で
反対側の手で
慣れれば、キャスト後の軌道のコントロールも自在にできるようになります。
フェザーリングのタイミングやラインにかけるテンションの感覚は、練習して覚えましょう。
ラインにテンションをかける事を意識!
フェザリングに加えて、着水後にロッドを煽る動作を入れると、しっかりとラインにテンションがかかった状態で巻き始めることができます。
着水後そのままリールを巻いてしまうと、ラインがフワッとたるんだ状態でスプールに巻き込まれて行きます。こうなると、次にキャストした時に絡んでしまう原因に…
巻き始める前にしっかりとラインを張る癖を付けておきましょう。
これは、ラインの状態を目視しにくいナイトゲームの際にもに非常に役立ちます。
バチパターンなどの引き抵抗の軽いルアーがメインになるような場合は、時々ラインにテンションをかけるためにバイブレーション等を投げるのも効果的です。
ラインの問題
ライン自体の問題や、巻かれ方に起因するトラブルの対処法です。
ライン自体に問題が有るケース
張りの無いPEラインは、不慣れだとトラブルに見舞われがち。中でも、初心者ほど選びがちなブレイド数の少ない安価なPEライン(4本編み等)は目が荒く、必然的に他のラインを拾ってバックラッシュを起こしやすいんです。
8本編み(8ブレイド)などの滑らかなラインにすれば、他のラインを引っ掛ける事が減り、飛距離も伸びるなど、メリットも多く出てきます。
価格が高価なのが難点ですが、初心者ほど8本編み等の質のいい物を使うことをオススメしたいです。
比較的リーズナブルで品質がいい物としては、XBRAID(YGK)のUPGRADE X8がオススメです。
また、ラインの滑りをよくするために「PEにシュッ」などのラインコーティング剤を使用するのも有効です。
ラインの巻き量は適正か?
糸巻き量が多いと「飛距離を出しやすく、ハンドル一回転辺りの巻取り量が多くなる」というメリットはあるのですが、多すぎるとトラブルの元になります。
最近のリールは、トラブルが少なくなるようスプールエッジ形状が工夫されていますが、巻き量が多すぎると性能を活かすことができません。
巻き量が多い
巻き量が少ない
適正
特にPEラインは、スプールの縁ギリギリまで巻くのはNG!ナイロンやフロロカーボンよりも少なめに巻くのがコツです。
「せっかく買ったラインが勿体無いなぁ」と、必要以上に巻いてしまうと、かえって多くのラインを失う事になるのでご注意を!
リールの問題
つい、真っ先に疑いたくなるのがリール自体の不具合。しかし、調整ができていないだけの事が大半です。
スプール高調整しよう
おそらく一番「リールのせい」にされることが多いんじゃないかと思うのが、スプールに歪に糸が巻かれていることに起因するトラブル。
例えば、こんな風にラインがスプールの下か上に偏って巻かれていませんか?(“ハ”の字、もしくは逆“ハ”の字形状)
ラインが上寄り
ラインが下寄り
これは、製造時の個体差だったり、ベイルがヘタって下がってきた事が原因で、オシレート時のラインローラーの位置とスプールの位置が合わない為に、このような偏りを生じてしまいます。
よほど酷いベイル下がりでなければ、この偏りは付属のワッシャーを使って調節する事で解決します。
リールの入っていた箱の中に、このようなワッシャーが入っていたかと思います。
スプールを外すと、メインシャフトの上部に同じようなワッシャーがセットされています。
このワッシャーを足したり抜いたりして、スプールの高さを調節します。
- ラインが上寄り→ワッシャーを足す
- ラインが下寄り→ワッシャーを抜く
機種によっては厚みの違うワッシャーが同梱されているかと思うので、使い分けて微調整しましょう。
ラインが、上下に偏り無く巻かれたら調整完了です。
何度も巻き直しながら調整するのは面倒だと思いますが、ラインの巻き替え用ツールを使うと楽です。
ライン巻き替えの際の必需品になるので、持っておきましょう。
また、ワッシャーを全部足したり抜いたりしてもまだ偏りがある場合は、ベイルが限界以上に下がっているなどの不具合が考えられますので、販売店に相談してみてください。
ラインローラーは回っているか?
各社とも、糸ヨレの軽減のためにラインローラーの形状も工夫されているのですが、これはラインローラーが回転していないと十分に糸ヨレ防止効果を発揮できません。
低価格帯のリールだと、標準ではラインローラー部にベアリングが入っていない為に回転が悪く、試しに指で動かしてみてもほとんど回らない物も多く存在します。
重たいルアーしか使わないならまだしも、軽量ルアーを使う釣りでは糸ヨレが発生しやすくなるので、ベアリング追加がおすすめです。
適合するベアリングはリールによって違うので、対応する物を確認して購入しましょう。
ドラグの調整が緩すぎないか?
ラインブレイクを防ぐために使うドラグですが、あまりドラグでラインを出しすぎるとヨレが発生しやすくなります。
捻れた状態では引張強度も落ちるため、適切なドラグの設定をしてあげることが大切です。
基本は強めに設定しておいてしっかりフッキングさせ、寄せてくるまでに足元での急激に突っ込みに備えて緩めるようにするといいと思います。
まとめ
スピニングリールのライントラブルについて解説してまいりました。
キャスト時のライン処理と、適切な調整で快適に!
これら対処法を全て行った上でもまだ問題が多発するようなら、リールの設計が悪いか何かしらの不具合が起きているかです。その時は、最寄りの釣具店を通してメーカー修理等を検討してみてください。
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