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【東京湾のシーバスは激減している】資源保護のためにアングラーができること

今回の記事は、資源保護問題のお話です。

近年、「以前のようにシーバスが釣れなくなった…」、「この時期なら、いつも釣れるはずの場所に魚がいない…」という声をよく耳にします。そして、それは僕も実感していること。

釣ってリリースした魚、元気にしてると思いますか…?

釣った魚をどう扱えば生存率向上に繋がるのか、僕の考えを記したいと思います。

長文です。読むのも大変だと思いますが、全てのアングラーに伝えたい記事です。

【重要】東京湾のシーバスは激減しているという現実

世界一の魚影を誇ると言われている東京湾のシーバス(スズキ)。

残念な事に、近年その数は激減しているようです…

特に、ここ2~3年で極端に魚が少なくなったような印象があります。

漁業関係者の知人に聞いたところ、実際にその人が携わっている港でのシーバスの水揚げ量は10年前と比較して5分の1位に減少しているとのこと…

TVでもしきりに東京湾産のスズキをブランド魚として売り込むような特集が報道され、漁が精力的に行われておりますが、産卵期に巻き網で大量に捕獲したりという話もよく耳にします。

東京湾のスズキ類漁獲量データ

こちらは、東京湾の2003年~2016年のスズキ類漁獲量データです⇓

No-Biteさんが集計して下さったデータを元に、最新のデータを加えて引用させていただいております(No-Biteさんのデータ集計表、素晴らしいので必見です!元データはこちらを御覧ください)。

実際の漁獲量のデータは、ピークである2006年と2016年を比較すると4割減位ですが、資源が少なくなった分は漁獲量の減少を抑えるために出漁回数を増やすなどして補っているそうで、現実にはもっと少なくなっていると考えられます。

実際に釣りをしていての感覚では、魚の数はピーク時の半分以下に減っているのではないかと…

ですが、ここでは「漁師が悪いんだ!」と言っていても仕方がありません。彼らにも生活がありますし、資源が減った原因が乱獲によるものなら、自分で自分の首を締めている事になりますしね…

釣り人は釣り人として、できることを考えていきましょう。


釣り人にできることを考えよう

資源量を保つために釣り人ができる事は、魚を殺さないようにすることです。

こういう話をすると、やいのやいの言う人もいるので最初に言いますが…

押し付けるつもりはありません。僕も完璧には出来ていません。やるやらないは個人の自由ですが、大切な仲間にはお願いしています。検証データも、無かったり甘かったり推測によるものも多いです。

あくまで、リリースした魚の生存率を高めるために、やらない方がいいと思われる事は避け、やった方がいいなら積極的にやる。少しづつの気遣いが、総合的に効果を生むと考えます。

この記事が、少しでもアングラーの意識向上につながれば嬉しいです。

キープは必要最小限に

ただ、釣った魚を食べるのも釣りの楽しみの一つです。キープするなとは言いません。僕もたまにはキープして食べますし…

大切なのは、必要以上にキープしない事と、できるだけ抱卵期(10月~1月頃)は避ける事

抱卵してるのは卵に養分を取られて、食べても美味くないですから…

4人家族で食べるにしても、50cm位のフッコサイズであれば、刺し身にフライにアクアパッツァ…一匹でも十分な量があります。

食べるなら、無駄にせず食べつくしましょう。

デッドリリースさせないために…

リリースした魚の生存率には諸説あります。「案外強い」っていう人も、「リリースしても全部死ぬ」って人も…

荒川で釣りをしているとシーバスの死骸をよく目にしますが、水温上昇や水質悪化による自然死よりも、釣られた時のダメージによるものが多いのではないでしょうか…

これらの魚は、丁寧に扱えば死なずに済んだものも多かったのではないかと思います。

「リリースしても全部死ぬ」なんて説…それが本当なら管理釣り場なんて存在しないし、釣られた跡のある魚も多く釣っていますので、ありえません。

掛けた魚は確実に獲るということ

ラインブレイクは、魚の死につながります。

ストラクチャー周りでライトタックルを使うなんて、魚を殺すためにやっているような物です。

ポイントに合ったバランスのタックルの使用と、できるだけ太めのライン(PE1~1.5号、リーダー20lb以上)をオススメしたいです。

また、強いタックルならファイト時間も短縮できるので、魚の体力を必要以上に奪わずに済みます。

バーブレスフックなら助かる命がある

バーブレスフックを使用することで、万が一ラインブレイクした時に魚がルアーを外してくれる可能性を高める事と、刺さり所が悪くても速やかに外すことができ、ダメージ低減とリリース時間の短縮になります。

あと、人間にも優しいです。ウェーディングとかする人は特に、自分のためにやった方がいいです。

バーブレスでもバーブ付きでも、そんなにバラし率は変わりません。

ペンチでしっかりと潰すか、最初からバーブレスとして販売されているフックがおすすめです。

僕は、がまかつのトレブルRB-MHバーブレスを愛用しています⇓

手で魚を触ると火傷する?

魚は、普段から冷たい水の中に棲む変温動物です。

つまり、魚の体温は水温とほぼ同じ位であり、自ら体温を調節することができない生き物です(マグロ類など、激しい運動をする魚の中には高体温のものもいる)。

東京湾奥だと、海や河川の水温は年間で5~30℃位に変化します。

シーバスだと、適水温は14~18℃と言われていますが、仮に18℃の水の中にいたシーバスを体温36℃の人間が触ると倍の温度なわけです。

人間の体温36℃の倍…つまり72℃の物をはたして触っていられますでしょうか…

これが、魚は手で触られると火傷をすると言われる理屈です。

エリアトラウトでは、釣った魚に一切触れずに釣りを楽しむよう、ルールが徹底されています。

反論とヌメリが剥がれてしまう問題

ですが、これには反論もあります。

魚の体表は粘液(ヌメリ)で覆われています。

このヌメリは、水中の雑菌などから体を保護する役割があるのですが、魚の皮膚と人間の手の間に水分の膜があるし、人間の皮膚の表面温度は36℃も無いから大丈夫だという説です。

確かに、皮下の重要な組織への影響は、お互いの皮膚と、その間に水分を挟むことで若干は熱を緩衝する効果は有るとは考えられます。

しかし、ほんの一瞬ならまだしも、持ったまま記念撮影やらなにやら…

それじゃあ、十分に熱が伝わる時間がありませんか?

そして、ヌメリが有るから大丈夫と言って、乾いた手で掴むとヌメリが剥がれ落ちてしまう問題があります。

ヌメリが剥がれ、むき出しになった皮膚を熱で焼かれ、火傷した状態で雑菌の沢山いる水中に放り込まれることになる。

フィッシュグリップの使用を推奨します

このフィッシュグリップの使用についても賛否両論あるのですが、僕は魚の体の表面にできるだけ火傷によるダメージを与えないようにするには使用したほうがいいと考えます。

フィッシュグリップを使うメリット

魚に触れずに済む

魚もヤケドしない。手も汚れない。

安全である

暴れた時にフックが指に刺さる危険性が無い

しっかりホールドができる

魚が暴れて地面に落下するリスクを低減できる

写真栄えする

実は、釣った魚を大きく見せることが出来ます

僕は、このオーシャングリップOG2100 ニュービー(Newbie)を使っています

こういう高いのは、「軽くて丈夫、がっちりホールドできる、デザイン性」というメリットはあるけれど、機能的には下のような安いものでもさほど変わりありません。

ただし、たまにホールドが弱くて脱走することがあったけど…

ただし、フィッシュグリップを使う時に魚の顎を貫通させると大きな穴を空けてしまうことになるので、持ち方には注意が必要です。

これはダメな例(犯人は僕です…)⇓

以前、シーバスの捕食シーンだけを集めたマニアックな動画を見た事がありますが、シーバスは勢い良く口を開けた勢いで、水と一緒に獲物を吸い込むようにして捕食します。

口に空いた穴によってこの吸い込む力が弱くなり、捕食しにくくなるという説があります。

できるだけグリップを貫通させないように、このように垂直にぶら下げるのが無難。

写真を撮る時なんかは、グリップの柄を魚の側面方向に向け、平面が上を向くようにするといいでしょう。

穴の貫通によるダメージのリスクを最小限にするには、力が一点に集中しないような形状の物がいいと思います。

余談ですが、以前フィッシュグリップを顎に付けたままの魚を釣った現場を目にしたことがあります(スレでしたが)。

手が滑ってグリップごと魚を逃してしまったのでしょうが、重たいフィッシュグリップを下顎に付けたままの生きていたのには驚きですが、やはりガリガリでした…永くはないでしょね…

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魚を地面に置くとどうなる?

よくSNSなどの投稿で見られるのが、魚を地面に置いて撮った写真です。

冬場ならまだしも、夏場でも見られるこの行為…魚は大丈夫なんでしょうか?

夏場の地面の温度が何度位あるか、知ってますか?

釣り場の地面の温度を計ってみた・・・夏

新中川の河川敷で、あちこちの温度を測ってみました。

  • 計測日時:7月21日15時20分
  • 気温:34℃
  • 風速:南西2m

計測にはこちらの放射温度計を使用しました。

機器の性質上、若干の誤差があるということはご承知おきくださいませ。

コンクリート護岸

護岸整備された河川の釣り場において、おそらく一番多いと思われるコンクリート護岸。

テトラなどの消波ブロックも同じコンクリート製ですよね。

この時は47.4℃でした。

アスファルト

アスファルトは黒い分さらに温度が上がります。

51.6℃を記録

草の上

日が照りつける草の生えた地面の温度は35.8℃

草も土も水分を含んでいるので、人工物よりは遥かにマシかなという感じ。

アスファルト(日陰)

一日を通してほぼ日が当たらない橋の下のアスファルトでは30℃でした

この日の水温とあまり変わりません。

バケツで地面を濡らすのは効果的か?

できるだけ、空中で針を外して速やかにリリースしてあげるのがベストなのですが、釣った魚を地面に置いて正確に計測したい事もあると思います。

そんな時の対策法となるか、試しに、今回温度を計測した中で最も高い数値を記録したアスファルトにバケツで水を掛けてみました。

ちなみにこの日の新中川の表水温ですが…

29.8℃…

ちょっと高すぎですね。

バケツ一杯分の水を掛けた直後は、アスファルト表面温度は10℃以上下がり、38.8℃に。

しかし、たっぷりと熱を蓄えていた地面はすぐに水をぬるま湯にし、その後は44℃くらいまで戻しました。

触れてみたところ、焼けた鉄板のようなアスファルトに直接触れるよりは、水が一枚間に有るだけでも体感的には温度は随分柔らかく感じます。

数値だけを見るとまだ不十分な温度だと思いますが、粘膜を剥がれにくくするためにはかなり効果が有るものと考えられますね。

どうしても釣った魚を正確に計測したいという方は、このような水汲みバッカンを携帯するのはどうでしょうか?

僕はTICTのマイクロバケツを持ち歩いています。

サイズはW12×D12×H14cm

非常にコンパクトにできており、カラビナ付きのメッシュポーチとロープ5m、ロープホルダーがセットになっています。

こんなふうに、タックルバッグやライフジャケットに付けても、さほど荷物になりません。

手を洗ったり、何かと便利。

まじでオススメの一品です。

その上で、魚を地面に触れさせない幅広のメジャーがあるとなお良いですね。

※上の画像の商品とは違いますが、同じようなタイプです⇓

リリースするにあたって

魚をリリースする上での注意点です。

せっかく丁寧に扱ってきても、ここで台無しにしませんように…

魚を高いところから放り投げない

よく、橋の上などから釣りをしている人を見かけますが、これ自体が道路交通法に抵触する行為だと言われていますね。

狭い歩道の通行の妨げになり、さらに橋の下は船舶の往来もあって非常に危険です。

とはいえ、僕も知らずに最初の内は「よく釣れるから」という理由で橋の上で釣りをしていた事があります。

この高さからドボンした魚は、その後プカーってしてました…

橋の上からの釣りは、魚を殺す行為です。

夏の魚は酸欠になりやすい

夏場は、水温が上がる程水中の溶存酸素量が減少します。

これに加え、バクテリアやプランクトンなどの微生物が増えることでさらに酸素濃度は減少します。

元々酸欠気味のところへ、釣られる事によって更に酸素を消費させられ、空中に晒されてさらに酸欠になる…

特に、大型の個体程多くの酸素を必要とするので、釣られる事でのダメージは大きくなります。

釣った魚をネットインさせたらすぐに陸揚げせず、そのまま水中で魚の呼吸を落ち着かせるといいです。

ある程度回復させてから陸揚げしてフックを外したり記念撮影をすることで、デッドリリースのリスクを大幅に減らせます。

釣ってすぐに陸揚げされるのって、全力疾走して「もうダメ…」ってゼイゼイしてる時に、無理やり口と鼻をガムテで止められているような状態ですもんね…

魚の回復を見届けるタモリリースを

小型の魚なら、丁寧に時間をかけるより少しでも早く水の中に放り込んであげた方がいいと思います。

でも、大型の魚はタモリリースをしてあげてください。

コアマンのYou Tube動画による説明がわかりやすかったです(6:33~)

タモの中に魚の頭が枠の外を向くように寝かせ、頭を上流側に向けて水中に浸します

そして、自力で泳ぎ出すのを見届けましょう。

魚が横になってしまうようなら、フレームを上手く使って体勢を整え、ネットを揺らしてエラに水が入るようにして回復させます。

まとめ

  • 魚には直接触らず、フィッシュグリップを(上手く)使用する。
  • 夏場の高温時は魚を地面に置かず、空中で持ったまますばやく針を外す。
  • 地面に置くなら草の上や日陰に。できるだけ水気のある場所か、バケツで水を汲んで地面を濡らしてから。
  • 魚を高い足場から落とさない
  • 大きい魚程酸欠になりやすいので、タモを使いきちんと回復をさせてからリリース

この記事を最後まで読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

自分自身が徹底できているかというと、完全ではありません。

過去には知らずに魚に触れていたし、釣った魚を死なせてしまったこともあります。当ブログ内にも、ツッコミどころは沢山あります…

そもそも、釣り自体が魚を痛めつける行為です。

「そんなに魚が可哀想に思うなら釣りすんな!」という意見は、そりゃごもっともです。えぇ、それは重々承知していますとも…

でも、釣りは僕の人生に不可欠な楽しみです。もはや「釣りをしない」という選択はできません…

ならば、せめてもの心がけとして、魚へのダメージを最小限に留めるようにと思っています。

まるで、ヘビースモーカーなのに健康オタクの人みたいな感覚もありますが、「どうせ体に悪い事してるんだから食生活も睡眠時間も運動も気にしない」なんて人よりは、「タバコは大好きでやめられないけど、体に悪い事と心得ているからこそ、他の人に迷惑がかからないように配慮を忘れず、体調管理にも気を使うよ」って愛煙家ならカッコよくないでしょうか…

いつまでも楽しい釣りができるようにする為には、その対象となる資源の保護問題は切実です。

知らずに魚に接している方も多いと思います。そんな方が知るきっかけとなりますよう、シェアしていたただけたら嬉しく思います。

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