ダイワのスピニングリールには、「DS5」「ザイオン」など、日常生活では馴染みの無い名前の素材が多く採用されています。
これらの素材の特徴と、用途に合ったリール選びのポイントを解説していきます。
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ボディー/ローターの素材と特性
ボディとローターに採用されている素材とその特徴です。
リールの剛性と重量を決める、最も重要な部分になります。
強化樹脂系素材
ザイオン(ZAION)
カーボン長繊維を強化素材とした特殊プラスチック。
カーボン繊維の含有量は一般的なカーボン繊維混合強化プラスチック樹脂の3倍近くあり、軽量、高強度、高感度、そして耐腐食性という全ての要素を高次元で実現させたもの。
各メーカーが、剛性を得るために金属製ボディーを採用しているのに対し、ダイワは金属に替わる素材として樹脂ボディーの研究を進めてきました。その結果生まれたのがザイオンという素材。
金属であるマグネシウムとほぼ同等の強度を持ち、軽く腐食しにくい。リールに使用される強化プラスチック素材としては最強の物になっています。
DS5
カーボン短繊維を強化繊維として配合した特殊プラスチック。
軽く、耐腐食性に優れるが、強度面では同じカーボン繊維を強化材に使用しているザイオンには及ばない。
DS4
グラスファイバーを強化繊維として配合した特殊プラスチック樹脂。
強度、軽さはDS5より劣るが、樹脂なので耐腐食性はよい。安価なのが最大のメリット。
金属系素材
アルミニウム(スーパーメタル)
かなり昔からリールの素材としての主軸を担ってきたことからわかるように、とにかく抜群の剛性を誇り、耐腐食性、整形のしやすさ、素材価格などバランスの取れたいい素材です。
難点は重いことですが、オフショア用リールには必ずといっていいほど使用されており、やはり堅牢さが求められる用途のリールには欠かせません。
マグネシウム(エアメタル)
アルミニウムに替わる金属素材として、軽量かつ高剛性であるこのマグネシウムは、実はかなり昔から度々製品への採用が試みられてきたものの、耐腐食性やコストの面からか、ダイワではあまり定着してこなかった素材です。
最上位機種であるイグジストにも、初代では採用されていた物が2代目からはザイオンに変わってしまっていたのだけど、2018年のモデルチェンジにてマグネシウムボディーが復活しました。
耐腐食性も、表面処理技術の向上により以前の物より改善されているそうですが、純粋な素材特性としての評価はこんな感じです。
【参考】ダイワによる試験画像
ダイワのザイオン特設ページでの素材テスト画像です。
ザイオンの凄さを説明するためのページなので、ザイオン推しではありますが、参考までに…
参照:ダイワ
ドライブギヤの素材と特性
参照:ダイワ
リールの剛性や耐久性は、ボディーやローターと共に、心臓部であるギヤの素材も大きく関係してきます。
ドライブギアに採用されている素材
亜鉛
低コストで加工がしやすく十分な強度があり、耐衝撃性に優れる。
ダイワではエントリークラスに採用されています。
ジュラルミン
主にアルミと銅でできた合金で、強度が高い。
耐蝕処理されているはずだが、素材特性としては腐食に弱い。ダイワだとミドルクラスのモデルに採用されている。
超々ジュラルミン
ジュラルミンに、亜鉛とマグネシウムを混ぜた合金が超々ジュラルミンです。
ジュラルミンよりもさらに強度が高く、零戦にも採用されていたということからもわかるように、ギヤ素材としては最強クラス。
ハイエンドモデルに採用されている超々ジュラルミン製のギヤは冷間鍛造で作られており、熱間鍛造の物に比べ精度が高く、表面もなめらかに作る事ができるため、強度だけでなく巻きの滑らかさにも貢献しています。
ギヤ製造技術による違い


ダイワは素材の違いだけではなく、製造技法によっても強度が違います。
2018年に登場したLTコンセプトの心臓部となっている「タフデジギヤ」は、ギヤのカット面を大きくして高負荷に強くしたというもので、単純に素材の違いだけで判断をすることが難しくなりました。
しかし、18フリームスなどに採用されている亜鉛製タフデジギアが、上位の17セオリーなどに採用されているジュラルミン製のマシンカットデジギヤをも超えるのだろうか?と、気になったのでダイワのカスタマーサービスに問い合わせてみたところ
「ドライブギヤ自体の強度と回転耐久性は、亜鉛でもタフデジギヤの方が上」との回答でした。
つまり、強度や耐久性については
タフデジギア(冷間鍛造超々ジュラルミン)>タフデジギア(亜鉛)>デジギアⅡ(ジュラルミン)>デジギアⅡ(亜鉛)
という順序になるようです。ただし、ボディーやその他のギヤを含めた総合性能ではトントンで、滑らかさという点では、やはりハイグレードモデルには及びません。
「ハイパーデジギヤ」について
参照:ダイワ
ちなみに、汎用リールには使われていませんが、オフショア用の上位モデルに採用されている「ハイパーデジギヤ」という物もあります。
ハイパーデジギヤにはC6191という、超々ジュラルミンを超える硬度を持つアルミニウム青銅が採用されており、大型魚との長時間ファイトで高負荷のかかり続けるオフショアの釣りに対応した高強度のギアになっています。
「剛性」と「軽さ」どちらを選ぶべきか
最新のダイワリールは剛性と軽さの両立を謳ってはいるけれど、やはり機種によって剛性重視の物と軽さ重視の物とが存在します。
現行の汎用リール各機種のタイプを表した図がこちら
参照:Daiwa
剛性を優先させるべきか、軽いものの方がいいかは、狙う釣り物や用途によって優先度合いが変わってきます。
こんな場合なら剛性重視
- 対象魚がデカイ
- 使用するルアーが重い
- 使用ラインが太い
- 強引なファイトが必要
- 釣行回数が多い
こんな場合には軽さ優先
- 対象魚が小さい
- 使用するルアーが軽い
- 使用ラインが細い
- 繊細な流れの変化やバイトを読む感度が必要
- 腕力が弱い
少々乱暴な分け方をするならば、PE1号以上の負荷がかかる釣りなら剛性重視、それ以下なら軽さ優先として選べば、其々のメリットをより大きく享受できるかと思います。
ギアの強度を生かすにはボディー剛性も重要
強度の低い素材のリールに高負荷をかけると、リールフットやローターに歪みが生じて、巻取りがギクシャクするように感じられると思います。
せっかくの高い強度を誇るギアも、高負荷時にしっかり受け止められるボディー剛性がなければ、捻れたボディーが内部の機関に抵抗をかけてしまうので、機能することができなくなってしまいます。
逆にボディー剛性だけ高くても、ギアに負担が集中してしまうため、強度の低いギアでは寿命が短くなります。
耐久性を重視するなら、ボディー・ギア共に剛性の高い物を選びましょう。
巻き感度に拘るならローター素材にも注目を
ローターの軽さは、巻き始めの軽さと巻き感度に大きく影響します。
そのため、軽量な強化樹脂系素材(ザイオン、DS5、DS4)が採用されることが多いのですが、単純に素材自体の違いによる強度や重量の違いだけではありません。
剛性が低い素材ほど強度を補うために肉厚に作らなければならないため、重量にかなり差が出てきます。
例えば、ザイオンローターのセオリーと、DS5ローターのカルディアにはこれだけ差があります。
カルディア(DS5)⇓
セオリー(ザイオン)⇓
ザイオン製のセオリーのローターはこれだけ細くできています。
このように、必要最低限の素材量で強度を出せるザイオン製のローターは軽さに優れ、軽量ルアーやライトラインを使う繊細な釣りにはとても有利になります。
また、同じ厚みで作るならザイオン製ローターの方が圧倒的に強度や耐久性に優れるため、高負荷がかかるオフショア用のリールには、もはや無くてはならない素材です。
ダイワ現行汎用スピニングリール素材比較表
ダイワの汎用スピニングリール主力機種をピックアップして、ボディーとローター、ギヤに採用されている素材を表にしてみました。
ボディー素材 | ローター素材 | ギヤ素材 | ギヤ製法 | |
18イグジスト | マグネシウム | ザイオン | 超々ジュラルミン | マシンカットタフデジギヤ |
NEW 19セルテート | アルミ | ザイオン | 超々ジュラルミン | マシンカットタフデジギア |
16セルテート | アルミ | ザイオン | 超々ジュラルミン | マシンカットデジギヤⅡ |
NEW 20ルビアス | ザイオン | ザイオン | 超々ジュラルミン | タフデジギア |
15ルビアス | ザイオン | DS5 | ジュラルミン | マシンカットデジギヤⅡ |
19バリスティック | ザイオン | ザイオン | 超々ジュラルミン | マシンカットタフデジギア |
17セオリー | ザイオン | ザイオン | ジュラルミン | マシンカットデジギヤⅡ |
18カルディア | ザイオン | DS5 | 亜鉛 | タフデジギヤ |
NEW 19レグザ | アルミ | DS4 | 亜鉛 | タフデジギア |
18フリームス | DS5 | DS4 | 亜鉛 | タフデジギヤ |
17エクセラー | アルミ | DS4 | 亜鉛 | マシンカットデジギアⅡ |
18レガリス | DS5 | DS4 | 亜鉛 | タフデジギア |
17セオリーと、その上位に当たるルビアスの間で、素材による下克上が起きちゃっているのですが、商品を手にとって巻いてみると、滑らかさに大きな壁が感じられます。
トータルで見た性能差ではグレード順通りな感じですね。
ルビアスから上は日本製、セオリーから下は海外製なのでコストや精度が違うし、各パーツにも勿論差がありますので。
条件別おすすめリール
軽さと剛性を最高次元で両立
マグネシウム合金のモノコックボディーにより、究極の軽さと剛性を獲得した最強のリールが「EXIST(イグジスト)」。軽い上に防水性能も群を抜いているので、ウェーディングにも最高です。
非常に高い巻き感度を生かした繊細な釣りから、モノコックボディーと大径ギアの剛性を生かしたパワーファイトまで何でも使えるリールです。
剛性と耐久性を最重視したいなら
アルミモノコックボディーに超々ジュラルミン製のタフデジギヤでとにかく頑丈で滑らかなのが特徴なのが「CERTATE(セルテート)」。
従来は剛性重視で重いリールでしたが、2019年のモデルチェンジにより軽さをも手に入れました。対象魚がデカイ場合や、引き抵抗の大きいルアーをガンガン使う等のシチュエーションに。
こんな釣りにオススメ
シーバス、ヒラスズキ、ライトショアジギ、ロックフィッシュ、シイラなど
軽量でシルキーな巻き感を求めるなら
15イグジストと共通のボディーを採用していたのがこの「LUVIAS(ルビアス)」
イグジストに迫るシルキーな回転の滑らかさ!流れの変化や、繊細なバイトを感じる釣りにおすすめ。カスタムのベースにも最適です。
こんな釣りにオススメ
エリアトラウト、シーバス(港湾・バチ抜け)、ブラックバス、アジング、ライトロックフィッシュ、エギング
とにかく軽さを!できれば滑らかでリーズナブルなもの
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17 セオリー 2004H (2000サイズ)
とにかく軽さ最重視ならボディー・ローター共にザイオンを採用した「THEORY(セオリー)」
対象魚が小さい釣りや、繊細さを要求される釣りにはコレ。このスペックが実売2万円台前半で手に入るのも嬉しい。
こんな釣りにオススメ
エリアトラウト、アジング、ライトロックフィッシュ、ブラックバス
軽さと耐久性で長く付き合える一台
タフな心臓部と、強いザイオンボディーを持ったのが「CALDIA(カルディア)」。コスパは最強!
レベルの高いアングラーの要求にもしっかり応えられるだけの基本性能を持ちあわせているので、長く付き合える一台です。
こんな釣りにオススメ
シーバス、ブラックバス、アジング、ライトロックフィッシュ、ライトジギング、テンヤマダイ
リーズナブルな物の中で、とにかく軽さ優先
実売価格1万円台前半で、このクラスとはとても思えない性能なのが「FREAMS(フリームス)」。このコスパは本当に凄い。
ラインローラーにベアリングが入っていないため、ライトライン使用の釣りにはベアリングチューンは必須ですね。
こんな釣りにオススメ
シーバス、ブラックバス、ライトジギング、テンヤマダイ、エギング
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