ダイワのソルトウォーター用リールのエントリーモデルである16BG
2016年に発売されてから既に2年が経過した16BGですが、激安で入手できる機会があったので、試しに購入してみました。
今シーズンのシイラ釣りで数回試してみたので、インプレッションです。
16BGのオフショア入門機としての実力はいかに?
とにかく、大型魚とのパワーファイトと重たいルアーの使用という、過酷な環境にさらされるオフショア用リール。
求められるのは、何と言っても堅牢さです。
剛性や耐久性を求めていくと、必然的にボディはゴツく重くなり、そのコストと需要を考えると価格もゴツいのは仕方がないといったところで…
低価格帯の物だと、一番大切な剛性や耐久性といった肝心な部分までコストダウンされてしまっている物が多く、長く使う事を考えるとダイワではキャタリナ以上の物でないとあまりオススメ出来ないというのが本音でした。
そんな中、僕の中ではイマイチ評価の低いダイワの廉価版オフショアリールが企画一新されたのが2016年…
中級機であるブラストのモデルチェンジに加え、BGという実質売価1万円前後というエントリーモデルが新たに追加されてきました。
「BG」ってなんだ?ビッグゲーム…?バトルゲーム?バスターギアとか…?
ネーミングはともかく、シイラ釣りでヨメに使わせるのにちょうどいいかな~と思い、3500Hを試しに購入した次第です。
16BG3500Hのスペック
巻取り長さ(ハンドル1回転) | 97cm |
ギア比 | 5.7 |
重量 | 400g |
最大ドラグ力 | 8kg |
糸巻き量(PE) | 2号-300m、3号-200m |
ベアリング(ボール/ローラー) | 6/1 |
ハンドル長 | 65cm |
ベールリターン方式 | オート |
定価 | 14,000円(税抜) |
採用されている技術
ATD、エアローター、スーパーメタルボディー、アルミ製スプール、アルミ製マシンカットハンドル(折りたたみ式)、ABSⅡ、クロスラップ、ツイストバスターⅡ、ローターブレーキ、シャワー洗浄可
ソルトウォーター用リールなのに、マグシールドは無いという潔さ。
今までの廉価品における「コストの削減しどころ間違い」を、このリールは払拭しているのだろうか…?
BGの各部位を細かく見ていきたいと思います。
16BG3500Hというリール
BGはブラックとゴールド基調としたシンプルなデザインです。
見た目で感じる質感は、とにかく安っぽいというのが正直な印象。
製造は中国です。中国製。Made in China。
付属品は調整用ワッシャーと説明書位。
リール袋すらありません
重量は402gでした。
カタログ値400gですが、許容範囲内の重量差。
ボディー
新しくなったエントリーモデルのボディには、剛性の高いアルミを採用したスーパーメタルボディー。16ブラストと共通の物ですね。
エンドキャップの部分がゴツゴツしています。剛性を高めるためというより、乗合船では船べりで傷がつくのは必至なので、目立たなくするためなのかな?
ローターの逆転ON/OFFストッパーは付いています。使わないし、浸水リスクを高めるのでマイナスにしかならないと感じる部分。
ギア
ドライブギアには、耐久性と巻取り力に貢献する亜鉛素材の大口径ギアが採用されています。加工精度を高めたデジギアⅡです。
以前の13ブラストや15ヴァデルは心臓部が弱いので、その辺が改善されているならいいのですが…
エアローター
上位モデルのキャタリナ等と似た形状のエアローター採用。つや消しのブラックで、プラスチッキーでこれもチープ感満載。
材質は不明ですが、ザイオンやDS5なら表記すると思うので、DS4以下と思われます。
ベールにはエアベール採用とのことですが、やはりキャタリナ等に比べると正直心もとないと感じる細さ…
ラインローラーにBBは無し!アームも安っぽさ丸出しです。
折りたたみ式ハンドル
大型魚を対象にするリールとして、この16BGの最も残念な部分がこの折りたたみ式(供回り式)ハンドル。
まだ数回使った程度では問題出ていませんが、構造上、使い込む内に必ずカタカタと遊びが出てくるのは必至ですが、この辺は使用上の質感の問題なので、魚を獲るための基本性能としては十分っちゃ十分。
上級グレードとの差別化をはかるために、致し方なしというとこでしょうね。
ハンドル部の重量は60g
ハンドルノブは、ラバーコーティングされたT型ラージノブ。昔のリールみたいなデザインだけど、使用には特に問題なし。
ちなみにこのノブは、ハンドルにカシメて固定されているので、脱着メンテやベアリング追加チューン等は不可となっています。
スプール
アルミ製のゴツいスプール。
糸巻き部の中央にはゴムの滑り止めが実装されていて、ラインを巻きはじめる時に、滑らずにきっちりテンションを掛けて巻けるようになっているのがイイ。
スプール重量は72g
剛性重視なので重いのは仕方なし。ラインストッパーが付いています。一応ナイロン40LBはしっかり止まりました。
ドラグノブも安っぽい…
機能的には何ら問題ありませんが…
内部はこんな感じです
スプール軸受け部にもBB!
なんと、スプール受け部にはベアリングが採用されています。
オフショアの釣りには、安定したスムーズなドラグが命!
この価格でここにベアリングが入っているというのは凄い。
そのかわりか、メインシャフトにはかなりモッサリとグリスが盛られています。
BG3500H実釣インプレ
オフショアでのシイラ釣りで、数回ですが実釣に使用してみた感想としては、剛性感や巻き上げ力には何ら不満はないです。
巻きに質感を求めるリールではありませんが、想像以上にカッチリと剛性感があり、巻き上げトルクもあるし、動作は滑らかでとてもいい!
ドラグの動作も、この各パーツの剛性と軸受けのBBの効果も相まってか、シイラのスピードあるファイトでも、非常に滑らかで安心感がありました。
実際に、このBGの大きな番手ではヒラマサやマグロでの使用においても実績があるようで、そういった極限のパワーゲームにおいても問題なく使用できるレベルだと感じます。
ただ、長期間の使用においての耐久性という面では、やはり上位機種からコストダウンされているギア素材や、この折りたたみハンドルでは、ガタつきは出てくるかと思いますね…
その辺りを踏まえて、使い捨て感覚にしても、まぁ安い(価格以上の内容である)と言えますね…
パット見は安っぽさ漂う外観ですが、無駄な装飾を一切省いて、実釣における肝心な部分の性能の充実を図ったというのが感じられます。
ただ、ここまで所有欲を満たされない程ストイックな仕様では、魚は釣れても釣り人は釣りにくいだろうなと言う気はします…
16BGをさらに性能アップさせるには…
この16BGですが、あまり手を入れられる場所がありません。
定番なのはBBチューンですが、ベアリングに換装できる部分もラインローラーのみです。魚をかけた時に高負荷がかかるので、ラインの負担軽減や、トラブルのリスク低減のためにはラインローラーBBは必須。
チューニングパーツに定評のあるヘッジホッグスタジオからは、専用のベアリングが発売されています⇓
ヘッジホッグスタジオでは、ベアリングの種類が選べますが、BGは海水での使用を前提としていますので、ここは防錆性を強化したHRCB一択ですね。
まとめ
- 初心者の最初の1台には十分な基本性能
- ドラグは信頼出来ます
- マグシールドレスなので、波をザンザン被るようなシチュエーションでは不安
- ハンドルがねじ込み式なら言うことなしだった
上位機種を知ってしまうと当然不満は出てきますが、オフショアやショアジギの入門者の最初の1台としては十分オススメできます。
外観のチープさはありますが、無駄な装飾を廃し基本性能の充実にコストをかけていると感じられるリールです。耐久性についても、年に数回しか釣行しない位だったら十分かも…
さらに耐久性と質感を求めるなら、ダイワならキャタリナ以上しかおすすめ出来ないので、「とりあえず始めたい」という位ならこれは一押しです。
もう少し長期に渡って愛着を持って使うことができる物をお求めなら、シマノのストラディックSW以上のクラスのリールがおすすめにはなりますが…
この16BGの耐久性に関しては、もう少し長く使ってみて、調子が悪くなるようなことがあればまた報告したいと思います。