例年、1月末頃から本格シーズンに入る東京湾奥河川のバチ抜け。
このバチ抜けの時は、比較的シーバスが釣りやすいタイミングでもあり、初心者が最初の一匹を手にするのにもオススメです。
この時のシーバスは、バチを食べる事に夢中になっているため、バイブレーションやリップ付のミノーをただ巻いているだけではあまり釣れません。
バチ抜けの時には「バチパターン」と言われる攻略法があるんです。
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バチ抜けとは?
バチ抜けってなに?
バチ抜けとは
バチとは、ゴカイやイソメ、イトメなどの多毛類のこと。
バチ抜けは、このバチたちの生殖行動のことで、「流れてくる姿が太鼓のバチのように見えた」というのが「バチ」と呼ばれるようになったのが由来(※由来には諸説あり)。
バチは、よくシロギス釣りの餌に使うような虫のこと。
バチたちは、とあるタイミングで一斉に泥底から這い出て水中で生殖行動を行います。これがバチ抜けといわれる現象です。
時には、何万何億という数のバチ達が川や干潟を埋め尽くす事も。
この状況を、女性が見たら気絶するかもしれませんね…
このバチ抜けの時は、産卵後で体力が落ちているシーバス達にとっては、あまり動かずにお腹いっぱいにできるチャンス!
タイミングと釣り方さえ間違えなければ、初心者でも比較的カンタンにシーバスを釣る事ができるのがこのバチ抜けの釣りです。
東京湾奥のバチの種類と抜ける時期
東京湾でバチ抜けが見られるのは1月~6月が中心
一口にバチ抜けと言っても、バチの種類は数千種類以上に及びます。
そのバチの種類によって産卵期が異なるため、実は、一年を通して何かしらの種類のバチ抜けは起こっています。
しかし、バチパターンとして成立する程に大量のバチ抜けが見られる時期は1月~6月いっぱいが中心と覚えておけばいいでしょう。
その代表的な種類を、3つのタイプに分けて紹介します
河川バチ
特徴:主に体調5~15cm位の緑色や赤っぽい色の物。(釣り餌の青イソメとよく似た外見)
エリア:河川、干潟
バチ抜け時期:1月~3月初旬
寒い時期に河川で抜けるバチは、水面付近を流されながら生殖行動を行います。引波を立てるほど水面までは出ません。底付近を流れていることもあり。
引波系青バチ(運河バチ)
特徴:主に緑色で5~18cm位。
エリア:運河、港湾部、隅田川
バチ抜け時期:4月下旬~6月中旬
運河の青バチといわれるバチは、一見河川のバチとよく似た外見をしていますが、水面を引波を立てて泳ぐのが特徴。15cm以上になる大型のものも見られます。
クルクルバチ(トリッキーバチ)
特徴:1.5~3cmでオレンジ色(陸上では緑色)。水面付近を引波を立てながらクルクルと泳ぎまわる。
エリア:港湾部、干潟、運河、隅田川、
バチ抜け時期:3月下旬~7月初旬
すばしっこく水面付近を引波を立てながらクルクルと泳ぎまわるのが、このクルクルバチやトリッキーバチと言われる種類のもの。シーズン後半ほど、このクルクルバチが多くなってきます。
ルアーで模倣することが難しいサイズと動きなため、攻略にはちょっと違ったコツが必要です。
※クルクルバチの攻略法については別記事にて解説しています⇓
【クルクルバチパターン】悶絶バチ抜けシーバス攻略法とおすすめルアー7選バチ抜けはタイミングが重要
バチが抜けるタイミングは「日没後1時間以上経ってから満潮を迎える日の満潮~下げ始め
つまり、大潮の最終日から中潮3日目くらいまでが最も有望な日という事になります。
そして、基本的には満潮前後に抜け始め、下げ潮と同時に流されていく。
ただし、自然現象なので例外はあり。場所によってとか、その日の気象条件などに左右されるので小潮や長潮でも抜けることもあれば、干潮間際や上げで抜けることもある。クルクルバチなんかは、深夜の上げ止まり前がよかったりもする。
なので、一般的に最も可能性が高いのは、後中潮の満潮前後と覚えておきましょう。
バチ抜けのポイント選び
ポイント選び
エリアによってシーズンにズレがある
東京湾奥ではエリアによってバチ抜けの時期にズレがあり、これを知っていないとそもそもバチ抜けに遭遇することが出来ません。
エリアを選ぶポイント
・1月~3月:小櫃川、養老川、荒川、多摩川、中川、旧江戸川などの河川
・4月~6月:港湾部や運河、隅田川(隅田川は、川というより運河に近い)
エリアの見極めが重要です。
時期ごとに、其々の種類のバチが抜けるエリアを覚えておきましょう。
バチ抜けで狙いたいポイント
バチが抜ける場所は比較的浅い砂泥底
そして、バチの密度の濃い場所に魚も定位します。
バチが集まりやすい場所
- 流れの寄るカーブのアウトサイド側
- 逆にインサイド側の流れの滞留するところ
- 潮目(異なる流れがぶつかる場所。水面に変化として現れる)
- ヨレ(水中のストラクチャーや、流れがぶつかる場所にできる)
- 常夜灯付近
このような場所が代表的です。
砂利底や波の荒い場所では、体の柔らかいバチの生息環境には適さないため、望みは薄いです。
流されてきたバチが寄る(溜まりやすい)場所を探してみましょう。
港湾部のように流れの弱い所では、バチは常夜灯などの光に寄る習性がありますが、スローな釣りになるので、あまり明るい場所だと魚にルアーを見切られやすくなります。
常夜灯付近では、明かりの境目など暗い部分で食わせるようにするのがコツです。