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【難攻不落のマイクロベイト攻略法】ハクパターンのシーバスの釣り方とオススメルアー10選

東京湾奥の河川のバチ抜けが一段落する3月ごろから始まる「マイクロベイトパターン」

今回は、代表的なマイクロベイトであるハクにフォーカスして、難攻不落と言われるハクパターンの攻略法を考察してみます。

この記事でわかること

  • ハクとは何か?
  • ハクの溜まりやすいポイントの選び方
  • ハクパターンに強いルアーの特徴
  • ハクパターンのおすすめルアー
  • 食わないハクボイルの奥の手とは

ハクとは?

ハクとは

ハクとはボラの幼魚(稚魚)のこと。

ボラは北海道以南の沿岸に広く生息する魚で、とくに河口など汽水域に多く、雑食性で泥底の有機物や藻類を主に食べています。

汚染にも強く、生息域がシーバスと重なることもあり、東京湾奥では最もポピュラーなベイトフィッシュのひとつです。

ボラは出世魚であり、成長とともに呼び名が変わっていきます。その名前の変遷については地方によっても様々で、諸説ありすぎてどれが正しいのか本当のところはわかりません。

ちなみに、ウィキペディアによると関東では「ハク➔オボコ➔イナッコ➔スバシリ➔イナ➔ボラ➔トド」と成長によって呼び名が変わるそうですが、少なくとも筆者の周りではオボコやスバシリという呼び名は聞いたことがありません…

東京湾奥において、アングラーに広く浸透している呼び名は…

ハク(~6cm位)イナッコ(7~15cm位)➔ イナ(15~30cm位)➔ ボラ(30cm~)

こういった感じで区別されているのが一般的なのではないかと思います(サイズの基準は、範囲がマチマチなため、概ねこれ位というイメージで参考程度にお願いします)。

ボラの産卵期は10月~1月頃で、2月頃になるとメダカサイズの稚魚が徐々に群れを形成し始め、しばしば大群となります。

東京湾奥においては、群れがそれなりの規模になりハクパターンとして成立し始めるのは例年3月頃から。ハクが成長してイナッコと呼ばれる夏頃まで、この難しいハクパターンとは向き合わなくてはなりません。

ボラに由来する言葉
ちなみに、小粋な若い衆を表す「いなせ」という言葉は、江戸時代の髪型である「鯔背銀杏(いなせいちょう)」がイナの背中に似ていた事から。「とどのつまり」という言葉は、このボラの最終形態であるトドが由来なんだそうです。


ハクパターンで狙うポイント

ハクは、遊泳力が弱く、表層付近に群れを形成し、光に集まるという習性があります。

こういった習性から、ハクが溜まりやすいポイントの代表例を挙げてみます。

常夜灯周り

明かりに集まるハクの習性から、橋の照明によって形成される明暗部は定番のスポット。

特に、シャローの明暗は一級ポイントになります。

シャローからのブレイクライン

シーバスに追われたハクは、水深5~20cm程の極端に浅い岸辺に逃げ込んでやり過ごそうとします。

こういった場所は、浅すぎてシーバスが入ってこられないので、ハクたちは安心して過ごすことが出来るのですが…ただし、それは潮位が高い時だけ…

シーバスがいるようなエリアは少なからず潮の干満の影響を受けるため、下げ潮で潮位が下がってくると、せっかく逃げ込んだ楽園は干上がり、そこにとどまることができなくなってきます。

すると、仕方なくそこを出て水のある場所に出て行く事になりますが、シーバスもそのタイミングがわかっていて、シャローの出口であるブレイク沿いで待ち構えているものです。

「下げが進んでハクの群れがシャローから追い出される時」

このタイミングを狙いましょう。

流れが淀む場所

遊泳力の弱いハクは、流れの弱いところに溜まりやすくなります。ワンドの奥や、石積みの下流など、反転流ができる場所や、流れの淀む場所に大量に群れていることがあります。

大量に溜まりすぎて、なかなか食わせられない悶絶に陥りがちではありますが、ここからはみ出して流されていくハクを待ち構えられる事ができる場所も意識しておきましょう。

岸際

岸際は流れが弱い場所であると共に、シーバスにとってはハクを追い詰めやすい場所になります。

こういった複合要素がある場所は、比較的食わせやすいので、しっかり押さえておきましょう。

朝マズメはチャンスタイム!

夜の間、ストラクチャーの隙間や浅瀬に逃げ込んで隠れていたハクたちは、朝マズメになると集団で移動を始める習性があります。

そのまま隠れていれば食われる事も無いだろうに…食事に行くのか何なのか、命がけでオープンエリアへと旅立っていくのですが、やはりその瞬間を待ち構えているシーバスがいます。

その無防備なハクを捕食しているシーバスは、テンションが上がっていて騙されやすい状態です。


ハクパターン攻略のコツ

「マイクロベイト」と言われる、とても小さなハクを偏食しているシーバスを釣るには、ちょっとしたコツがあります。

狙い方や、ルアーに求められる条件を考えてみましょう。

ルアーに求められる条件を考える

シルエットを近づける

やはり、出来るだけ小さめののシルエットのルアーの方が有利です。

捕食しているベイトのサイズに合わせれば、より魚を騙しやすくなる事は確かですが、完全に溶け込みすぎると存在が埋もれてしまう上に、メダカのようなサイズのハクに合わせるのはちょっとムリがあります。

トラウトやメバル用のルアーでも釣れますが、シーバスのファイトに耐えられるようなフックを付けられないし、飛ばせない。

周りのハクよりちょっとだけ存在感を出せて、丈夫なフックを背負えるサイズとを考えると、5cm~7cm位のルアーが中心になります。

ハクの出す引き波に似せる

シーバスにロックオンされて怯えているハクを観察していると、水面に追いやられて波紋を出しながら泳いでいることがわかると思います。

ハクのサイズにもよりますが、春の早い時期ほどまだ小さく、そのサイズに伴って繊細な引き波を出している事が多いです。その引き波の感じを再現することで、ハクを演出してみましょう。

波動を合わせる

ハクの小さな体から出る波動を考えると、大きく水を押すようなアクションの物より、タイトな動きの物の方が好まれます。

引波や波動といった条件を合わせるようにすれば、シルエットの大きなルアーでも、ハクを偏食するシーバスに口を使わせる事が可能になります。

ハクボイルの狙い方

群れの周辺を狙い撃ち

ハクは、大小さまざまな規模で群れを形成しています。

シーバスがハクを捕食する時には、群れの密度の濃い場所に突っ込み、慌てふためいて群れから外れる奴や、最初のアタックで弱った物が食べやすいようで、それらが次の捕食対象になります。

やはり重点的に攻めるべきは群れの周辺!

群れの真ん中を通してハクを散らせば、その時にスイッチが入りやすくなります。

真ん中だけではなく、端っこに少し逸れるようなコースもトレースしてみましょう。

また、シンペンやバイブなどで、群れの中を通している時にリトリーブを止めて「フッ」とテンションを抜いてフォールさせるのも効果的です。

プラスαの要素を使おう

オープンエリアで出ているハクボイルを狙うのは、なかなか難しいものです。

なので、壁際、明暗ライン、大きく流れの変化する場所など、ハクを追い詰めて捕食しやすくする複合要素を狙うと釣りやすくなります。

岸際は出来るだけギリギリを狙うことが肝心です。引き波系をアップに投げて流したり、ダウンに入れてスローに引っ張ってきたり、壁にこする位スレスレをトウィッチしてくるのも効果的です。



ハクパターンにオススメのルアー10選!

では、以上の事を踏まえて、具体的にハクパターンに効果的なオススメルアーを紹介します。

ima・KomomoⅡ65

シーバス用のサブサーフェイスミノーとしては最も小型の部類に入るフローティングミノー。

こんなに小さくても、過去にランカーサイズも実績があり、かなりオススメです。

<komomoⅡ65を丸呑みしにた87cm。こんなに大きいシーバスもハクを食っている>

固定重心ですが、ファットなボディーで浮力を確保しているため、見た目より重量があり飛距離も悪くありません。(よく飛ぶとは言えませんが…)

大きく空いた口でしっかりと水を受けブリブリと水面でもがくように大きな波動を出すので、小さくてもアピール力は抜群。

ただし、こういった強い波動が嫌われる時には、スローに水の抵抗で引波を出しながら水面でゆらゆらとさせてやるのも効果的です。

コモモⅡは、流れが弱い時やアップクロスでもしっかりとアクションしてくれます。固定重心なので、巻き始めと同時に泳ぎだし、重心移動のようにカチャカチャと音も鳴らないので、警戒心の高いシャローのシーバスに余計なプレッシャーを与えないで済むのもいいですね。

Daiwa・ソラリア70F

70mmのフローティングミノーとしては立派な飛距離が稼げるため、沖合でハクにボイルしている時なんかに活躍する。

水面下10~50cm位のレンジを泳ぐウォブンロールアクションで、時より水流変化を受けて自動的にフラつき、食わせの間を創りだしてくれるので使いやすい。広くサーチする時に便利です。

Daiwa・モアザンスライ95F

スライというと、そのシルエットやカラーバリエーションからもバチ抜け用というイメージが強いかと思いますが、このルアーが起こす繊細な引波は、ハクの出す引波も意識して開発されています。

あまりブリブリと泳がさず、ゆっくりと引き波を出しながら魚の前に流していくのがポイントです。

Daiwa・モアザンガルバ73S

ガルバ73Sは、シンキングペンシルながら浮き上がりが非常に早く、水面で引き波を出しながらスローに引くことができる。

小型で固定重心の割によく飛びます。代表的なリップ付きシンキングペンシルであるマリブと比較しても2~3割増し位で飛距離が出ていると思う。なので、遠くの表層でボイルしている魚を獲るのに、もはや無くてはならないルアーとなっています。

また、デイゲームにおいて、水面で素速く細かいトウィッチをかけながらパニックをおこしたベイトを演出する使い方も、ガルバの得意とするところ。トップウォーターのように、でもギリギリトップに出きらないシーバスにとても効果的です。

厳冬期以外はほぼ主力ルアーとして使えるので、必ず一つはボックスに入れておきたいところです。

ima・アルデンテ70S

アイマのアルデンテ70Sも、繊細な引き波を出すことができるシンキングペンシル。

スライと同じくバチパターン用のイメージが強いですが、水面付近を泳ぐハクに近い引波を出すことができるので、ハクパターンにもバッチリはまります。

ima・K-太58SUSPEND

2018年3月に発売されたばかりの、濱本国彦氏監修K-太シリーズのダウンサイジングモデル。

小型なのに、意外にも飛距離が出ます。ロッドワークには機敏に反応し、サスペンド仕様なので「止めて流す」などの使い方も可能。非常に高性能で優秀なルアーです。

Lucky Craft・ワンダー60

ラッキークラフトの元祖シンキングペンシル。

普通にリトリーブしたり流したりしてもいいですが、フォール時のひらひらアクションは今でもなお効果的です(動画はワンダー80ですが60も同じようにフォールします)。

クルクルバチパターンにも効果的なルアーです。

Daiwa・モアザンミニエント57S

やや水深のある場所で使用したいのがバイブレーション。

その中でも、ミニエント57Sはフォールやダートといった、積極的に魚に食わせに行く釣りに対応できるバイブです。

着水と同時にリトリーブし、ハクの群れの中でフォールさせたり、護岸の際に溜まったハクの近くでダートさせたりすると効果的です。

ハク以外に、アミやハゼ等の様々な状況で通年使えるルアーで、開発者の大野氏も「湾奥の港湾部では、ミニエント一個あれば潰しが効く」と言っている程なので、必ず一個は持っておきたいところです。

デイゲームにはスピンテールがおすすめ

コアマン・パワーブレードPB-13

デイゲームの定番スピンテールジグですが、ブレードのフラッシング効果と、小さいシルエットでハクの群れを演出しやすいようで、とくに見切られやすい日中のハクパターンには効果的です。

各社、主にディープエリアでの使用を念頭に、浮き上がりにくいよう開発されている物が多いようですが、ハクが多く生息するシャローでの使用を考えると候補はあまり多くありません。

その中でも、コアマンのパワーブレードシリーズ最小となるPB-13は、シャローレンジを引くことができ、ハクとほぼ同じサイズにかかわらず、フックも丈夫な物を搭載しています。

小型のくせにかなり飛距離も出るので、オープンエリアを広範囲をサーチする必要があるデイゲームでは非常に強力なアイテムです。

渋い時のマッチ・ザ・ベイト

なんだかんだ、ワームのジグヘッドは強いです。

おすすめは、超リアル系ワームのフラッシュJの1インチ

Fish Arrow・フラッシュJ SW 1インチ

本来はアジやメバルなどのライトゲーム用のワームですが、やはり完全なマッチ・ザ・ベイトは強いですね(笑)。ただし、溶け込みすぎて見つけてもらいにくいので、ボイルしているピンポイントを何度も何度もトレースして、チャンスを広げるようにするのがコツです。

このような小さめのワームをセットするジグヘッドは、ワームキーパーの小さめの物を選ぶようにしましょう。コアマンのミニカリ用ジグヘッド「パワーヘッドミニ」がオススメです。



繊細な釣りには繊細なラインが必要

ハクパターンの攻略は、やはり小型ルアーを使ったりや引き波を意識した繊細な釣りになることが多いです。

なので、これらのルアーの特性を活かし、ポテンシャルを最大限発揮するにはラインもそれなりに細くする必要があります。

とはいえ、ハクが好むポイントにはストラクチャーも絡んでくる事も多いので極端に細くすることはできません。

バランスをとった落としどころとしては、メインラインにPE0.6~0.8号。リーダーにはフロロの12~16lb位でしょうか。

小型のルアーを使う時は、細いラインを使うとルアーの動きに顕著に差が出るのがわかると思います。

どうしても食わない時の奥の手!?

目の前でボイルしまくっているのにどうしても食わない時の最終奥義は…

 

必殺!諦める!

です(笑)

 

食わないボイルって、ベイトが多すぎて魚が散ってしまっていたり、流れが弱かったり、明るい常夜灯の下で見切られやすいとか、食わせにくい悪い要素が重なっている場合が多いんですよね。なので、固執せずに見切りをつけ、食わせやすい魚を探しに行った方が良い結果になる事も。

流れの変化やブレイクなど、捕食するスポットがピンポイントであり、良い要素ができるだけ多く重なる場所を探してみるといいと思います。



まとめ

ハクは、そのサイズからルアーで模倣することが難しく、狂ったようにハクにボイルしていてもなかなか食わせられなかったりすることも多いパターンです。

筆者が普段ハクボイルを狙うときに使っているルアーや釣り方を紹介してきましたが、リトリーブスピードやアクションなどはその時によって反応が変わるので、随時工夫して挑んでみて下さい。

この記事が、ハクパターンに悩んでいる方へのヒントや、新たな自分なりの釣り方を発見するきっかけとなれば幸いです。

それでは、良い釣りを♪