2019年にフルモデルチェンジをしたダイワの新製品スピニングリール19セルテートLT4000-CXHを購入しました。
各部重量計測と、ファーストインプレッションです。
Contents
19セルテートLT4000-CXHを購入
先行して発売されていた3000C以下のモデルから遅れて、4月末になりようやく流通し始めたダイワ19セルテート4000番台。
「剛性のセルテート」として、おそらく一番需要があると想定されるハイギヤモデルのLT4000-CXHを購入したので、今回はその細部のインプレと、各部重量の計測を行いました。
19セルテートLT4000-CXHのスペック
標準糸巻量 | ナイロン | 12-150 |
PE | 1.5-200 | |
自重(g) | 235 | |
ギヤ比 | 6.2 | |
最大ドラグ力(kg) | 12 | |
ベアリング(ボール/ローラー) | 10 / 1 | |
ハンドル長(mm) | 60 | |
ハンドルノブ形状 | ラージT型 | |
価格 | 49,500 |
19セルテートの素材構成
- ボディー:アルミ(モノコック)
- ローター:ザイオン
- ギア:アルミ(冷間鍛造)
- メインシャフト:SUS
- スプール:アルミ(鍛造)
- ハンドル:アルミ
19セルテートのベアリング配置箇所
- ピニオン部✕2
- ドライブギヤ✕2
- オシレートギヤ✕1
- ラインローラー✕2
- メインシャフト✕1
- ハンドルノブ✕2
16セルテートと同じ10BBですが、配置箇所に変更あり。
オシレーションスライダーへの配置が無くなり、ハンドルノブが2BB化されました。
付属品
付属品
- 取扱説明書
- 調整用ワッシャー
※その他スペック等詳細はこちらの記事にて解説しています⇓
【19セルテート徹底解説!】ダイワスピニング新商品の大本命をインプレ!
19セルテートの細部に迫る
ボディー
ボディーはイグジスト同様のモノコックボディー。マグネシウム合金製のイグジストより剛性の高いアルミが採用されているのがセルテートの特徴です。
青みがかったグレーとシルバーの配色は、どんなロッドにでもマッチする落ち着いたデザイン。
外観上は18イグジストとほぼ同じに見えますが、内部はオシレーションスライダーの配置変更など、軽さ重視のイグジストより剛性と巻き上げ力を重視した細かな設計変更がなされています。
モノコックボディによる更なる高剛性化と、防水性の向上。そして、従来は左右に分かれたボディーパーツを止めるのにネジが存在していたが、不要になったため内部のスペースが拡大されました。
よって、従来より大径のギヤが収納可能になり、それでいてボディー自体はコンパクトになっています。
ストッパーが排除された事で、水の侵入経路が一つ減りました。
個人的には全く使わない機構だったし、シマノは既にストッパーレスになってきてるし、いいと思います。
従来はマグシールドBBだったドライブギア両軸のBBは、上位モデルであるイグジストと差別化のために非マグシールドの物へとダウングレード。
モノコックとストッパーレスボディーのおかげで、トータルでの防水性は向上しているとの事です。
リールフットは、排水性を高めた形状に。
製造国は日本です。Made in Japan
当然ながら、ピニオン部はマグシールド採用です。
ローター
イグジストと同じ形状のザイオン製エアローター。
低慣性で、巻き出しの初動はとにかく軽い。
一体成型の継ぎ目の無いエアベール。
ラインローラーは従来より幅広の物になり、内部は2個のマグシールドBBが内蔵されています。
スプール
LTコンセプトになってからの特徴の一つである大型化されたドラグノブ
確かに、とっさに調整したい時の操作のしやすさは格段に良くなったと思うけど、このスプール内部の形状にも着目したい。
あまり注目されていないが、大径ドラグノブのおかげで、水飛沫を被った時や水洗い時にドラグ部に水が入りにくくなった事も大きなメリットだと思う。
スプール裏側の形状。
薄肉化された鍛造アルミ製。軽いです。
スプール内と、スプール軸受け部分はベアリングではなく、ナイロンとメタルのカラーです。
さらに滑らかなドラグを求めるなら、BBチューンが必須です。
※BBチューンに関してはこちらの記事へ⇓
【19セルテートのドラグを高性能化!】フルベアリング化キットが発売(MAX12BB)19セルテートLT4000-CXHの各部重量
各部の重量を測ってみました。
※家庭用スケールのため、若干の誤差はご容赦ください。
総重量
総重量は235g
カタログ値通りの重量です。メイドインジャパンの精度の高さは素晴らしいですね。
スプール重量
スプール重量は34g
特に穴開け加工がされているわけではないが、十分に軽い。
本体重量(ドラグノブ含)
本体重量(ドラグノブ含む)は176g
ハンドル重量
ハンドル重量は25g
剛性を売りにしているセルテートだけあって、ネジレ剛性の高そうな形状。
ハンドルノブには、標準で2BBが採用されています。
19セルテート実釣インプレ
とにかくセルテートらしからぬ軽さが印象的です。
「剛性重視なんだから重いのは当然!」といった従来の物より格段に軽いのに、剛性感のあるカッチリとした巻心地の不思議な感覚。
まるで医療機器を彷彿とさせるような精度の高さを感じられ、釣りに行けない時も思わず部屋でずっと触ってクルクルしていたくなります。
LC-ABSにより5%向上したという飛距離は、従来モデルと同条件下で比較した正確なデータを取って検証をしていませんが、ライン放出時の抵抗感は減ったという印象です。
ギヤ比が、従来は5.6だったハイギヤが6.2になったので、さすがに新たに採用された大径ギヤとはいえ負荷は大きいですね。非力な方には抵抗の大きいルアーを一日巻き倒すのは疲れるかもしれません。
ハンドル一回転当り95cm→99cmとなった事で、素早くルアーを回収できるのは嬉しい。ボイルが出た時のキャストし直しなど、回収の速さは釣果アップに繋がる大きな要因になります。
従来モデルでは、引き抵抗の大きいルアーを使用している時に僅かにローターのブレが感じられたのですが、高負荷時も非常に滑らかな巻き心地を維持し、ボディーやギヤの剛性が上がった事が体感できるレベルです。
特筆すべきは、高いギヤ比と低慣性ローターによる情報量の多さ!
今まで感じることの出来なかった流れの変化やルアーの挙動など、水中からの情報がよりハッキリと伝わってくるように。自重が軽くなった事も影響していると思いますが、とにかく感度が上がった。それも、格段に。
前述した巻き重り感というのも、従来は慣性で殺していた部分がダイレクトに伝わってくるようになったからと思います。
13セルテートを年間100回程の釣行で約5年間使ってきましたが、メンテは塩分濃度の高い場所で釣りをした後に軽く水洗いをするだけという雑な扱いにもかかわらず、大きなトラブルも無く安心して釣りに集中することができました。
本当に耐久性の高い素晴らしいリールだったと思います。
19セルテートは、まだ使用し始めたばかりで耐久性に関しては言及できませんが、セルテートの名を引き継いでいる事に大いに期待し、また長期使った時にインプレを書きたいと思います。
まとめ
まだ使い始めたばかりとはいえ、想像以上の進化を実感することができた19セルテート。
従来のセルテートのコンセプトでは剛性と耐久性が最優先であり、軽さや巻き感度といった部分が犠牲になっていましたが、剛性は勿論のこと、軽いし、巻き感度が非常に高くなっているのが驚きでした。
水中からより多くの情報を得ることで、有利になることは間違いない。ただ、これが釣果アップに繋げられるかどうかは、アングラーのウデ次第なので、これは…ますます言い訳がしにくくなるなぁ…という感じです(笑)