新旧フリームスの2500番台を比較してみました。
どこがどう変わったのか、各部重量や使用インプレッションを踏まえて細かく解説していきます。
LTコンセプト18フリームス
ダイワ60周年の節目として、スピニングリールの新たな設計思想として登場した「LTコンセプト」
フリームスは、このLTコンセプトのエントリーモデルとして2018年フルモデルチェンジがされました。
上級グレードに肉薄する基本性能の高さを有し、実売価格1万円台前半という入手しやすい価格。
とりあえず激安セット品で釣りを始めた初心者が最初の買い替えをするのにも丁度いいという事もあり、最も売れ筋のクラスのリールです。
「軽く、強く」というコンセプトで生まれ変わった18フリームス。
旧型リアルフォー世代である15フリームスと具体的にどう違うのかを、2500番台のリールで比較していきます。
今回比較の対象になるのが、15フリームス2506Hと18フリームスLT2500S-XH
両方とも2500番台ですが、LTコンセプトではサイズ表記が変わったためにLT2500は従来の2000番と2500番の中間に位置するサイズです。
従来モデルの2500番台は、LTコンセプトではLT3000番代が相当するのですが、たまたまMusician’s釣り部員のカツベー氏が15フリームス2506Hを所有していたので、お借りしてまいりました。
というわけで…今回は2500番台同士で比較してみます。
15&18フリームスの比較表
スペック比較表
15・2506H | 18・LT2500S-XH | ||
巻取り長さ(cm/ハンドル1回転) | 84 | 87 | |
ギヤ比 | 5.6 | 6.2 | |
自重(g) | 270 | 205 | |
最大ドラグ力(kg) | 3 | 5 | |
標準巻糸量 | ナイロン(lb-m) | 5-140 | 4-150 |
PE(号-m) | 0.8-130 | 0.6-200 | |
ベアリング | ボール / ローラー | 4 / 1 | 5 / 1 |
ハンドル長さ(mm) | 55 | 55 | |
ハンドルノブ仕様 | I型 | I型 | |
税抜き定価(¥) | 16,300 | 16,800 |
従来モデルから向上した部分を簡単にまとめると
- 軽量になった
- ドラグ力向上
- ベアリング増
- ギア比と巻取り量
といったところです。
価格は500円値上がりしています。
採用されている機能の違い
15FREAMS | 18FREAMS | |
マグシールド | ◯ | ◯ |
ATD | ◯ | ◯ |
ツイストバスターⅡ | ◯ | ◯ |
エアローター | ◯ | ◯ |
エアベール | ◯ | ◯ |
ABS | ABS | LC-ABS |
スプール素材 | アルミ | 薄肉型アルミ |
素材(ボディー/ローター) | アルミ/DS4 | DS5/DS4 |
ギア | デジギアⅡ | タフデジギア |
ハンドルノブ交換 | 可 | 可 |
ハンドル固定方式 | 折りたたみ | ねじ込み式 |
ラインクリップの形状 | 従来型 | 新形状 |
特筆すべきは、従来比5%の飛距離向上とトラブル減を実現した薄肉型アルミLC-ABSスプール。
耐久性と巻き上げ力が向上したタフデジギア。
ハンドルはねじ込み式へと変更され、より精度が高くガタツキの少ない快適な使用感を実現しています。
外観
まずは外観の違いです。
セルテートのようなブラックとゴールドを基調としていた15フリームスから一転、18フリームスはシルバーと淡いゴールドで大幅なイメージチェンジ。
やはりLT2500は一回り小さいですね。
ちなみに、15フリームスは中国製。18フリームスはベトナム製です。
ローター部分。
サイズが変更されているので大きさこそ違いますが、ラインローラーやベールを含めて形状の変更は無し。おそらく同じ物だと思います。
ローラークラッチのON/OFFスイッチも、同じ部品っぽいですね…
リールのフット部分も形状が変更されています。
18イグジストにも採用されていますが、これにより排水性がよくなり、耐久性が向上したとか…
大型化されたドラグノブ。
操作性向上はもとより、デザインや質感も良くなっていますね。
ハンドルノブはやや細身に。こちらのデザインも格好良くなってます。
15フリームスと18フリームスの重量はカタログに記載されてはいますが、個体差もあると思うので一応計測してみました。
15フリームス2506Hが実測値268g、対して18フリームスは201gです
実はベアリングを3BB追加しているので若干重くなっていますが、それにしても軽い…。
実に約25%の軽量化です。
スプール
スプールを外して比較してみます
2500番台なのに、だいぶ大きさが違いますね。
真上から
真横から
重量は15フリームス2506が56g、対して18フリームスLT2500S-XHは25g
スプールは半分以下の重量!!
同じアルミ製ですが、18フリームスは限界まで薄肉化した造りになっており、かなり軽いです。
リールの前方が軽くなることで、持ち重り感が減るのはいいですね。
軽量化されたのはいいのですが、構造も変更されています。
裏側から見たところ、かなり簡素化された造りになり、おかげで15フリームスでは出来たスプール内とスプール受けの白いカラー部分のベアリングチューンが18モデルでは不可に…
スプールの互換性も15フリームスは上位機種のカルディアをはじめ、ルビアス、セルテートイグジストまで共用出来たのに対し、18フリームスのスプール互換は今秋発売予定の下位モデル「レガリスLT」のみとなっています。
ローター
ローターの比較をしてみます。
まずは重さ比較
15フリームス48gに対し、18フリームスが49g
サイズが若干小さいはずの18フリームスの方が1g重いのは、おそらく追加ベアリングのせい。
あと、家庭用のスケールなので多少の誤差はご容赦ください。
同じDS4(グラスファイバーを強化材とした特殊プラスチック)素材のエアローターですが、形状から見るにローターは全く同じ物のようです。
ベールやラインローラーの形状も変更なし。各部品を留めているネジ類がトルクスに変更されている位です。
ボディー
ボディー重量は、15フリームス121gに対して18フリームスは99g
素材がアルミからDS5(カーボン短繊維を強化材とした特殊プラスチック)へと変更されているおかげで軽量になっています。
素材としてはアルミよりも剛性が低いのですが、ベアリングの配置変更で剛性不足を補っています。
大きな負荷のかかるピニオン軸にベアリングが追加され、2点支持に変更。
ギアも、カット面を大きくして高負荷に耐えられるようになったタフデジギアへと進化。
ダイワの説明によると、総合的な剛性や回転耐久性は18フリームスの方が上だとの事です。
ちなみに、11フリームスはザイオン製だったのですが、上位モデルとの差別化の為には、デチューンせざるを得ない部分だったのかもしれませんね…
余談ですが、酷使されたカツベー氏のマグシールド部分…
マグオイルが抜けて飛び散り、ご臨終されてました…
マグシールドの信頼性は、実際のところどうなんでしょうね…
ハンドル
18フリームスには新たにねじ込み式ハンドルが採用されたのが嬉しいところ。
ハンドル重量の違いです。
15フリームス36gに対し、18フリームス18g
※18フリームスは2BB追加済です
そもそも供回り式である15フリームスとは部品構成が違うので比較しても仕方がないのですが、細く絞ったアルミマシンカットハンドルのおかげで、これもかなり軽くなっています。
15モデル→18モデルの進化まとめ
18フリームスと15フリームスを実際に使用してみた上で、本当に良くなったなと実感できる点をまとめてみます。
18フリームスの◎
- 圧倒的に軽量に
- 剛性・耐久性の向上
- 最大ドラグ力向上
- ねじ込み式ハンドル
- トラブル減飛距離増のLC-ABSスプール
18フリームスの✖
- フルモデルチェンジの割にローターは同じ部品(?)
- ベアリングチューンできる部分が減った
- スプールの互換性
- 価格が若干値上げされた
といったところでしょうか。
18フリームスは、従来より小型になった2500番手を毎日のようにシーバスで使用してみたり、他にもトラウト、シロギス、チニングと、なかなかに酷使していると思いますが、それでもへこたれない強さを持ち、基本的な性能は劇的に向上したと感じます。
ドラグも、ベアリング追加せずとも十分に滑らかでいい動作をしてくれます。(12ルビアスから比較しても、圧倒的に18フリームスのドラグの方が上と感じます)
従来モデルのように、スプール交換したりベアリング追加したりといったチューンアップの楽しみが減ったのは残念ですが、チューニングもしたくなるような方は、1ランク上のカルディアにした方が手を加える余地があるのでいいかと思いますね。
値上げといっても微々たるものですし、それ以上の進化が感じられ、満足度はかなり高いリールです。