2018年。ダイワ創業60周年の節目に、ライトかつタフを謳い大胆なスピニングリールの規格刷新を打ち出したのがLTコンセプトでした。
その中でも、特に注目されたのが18カルディアですが、それは果たして本当にタフと言えるものだったのか…?
結論から言えば、「タフさが要求される釣りには、カルディアは不向き」だったなと…
18カルディアを半年間(約10回程度)、あえて大き目の負荷がかかる釣りで使ってみたので、一体どうなったのかをレポートしていきます。
Contents
18カルディアのタフたる所以のおさらいと購入経緯
タフを謳っていたタフデジギア
参照:Daiwa
18カルディアの心臓部(ドライブギア)には、タフデジギアという新しい技術が採用されており、今までのデジギアよりもギアのカット面を大きくし、巻き上げトルクや耐久性を向上させたとの事。
ちなみに、18カルディアのドライブギア素材は亜鉛。
ダイワのCSに、素材としてはより剛性・耐久性に優れるジュラルミン製のデジギアと比較した場合、一体どちらが上かと問い合わせた事があったんですが、その時は「亜鉛製タフデジギアの方が上」だとの回答でした。
創業60周年で、かなり気合が入っていたのか、新製品には相当な自信を持っていたみたいです。
シイラ釣りに使えそうなスペック
18カルディアLT5000D-CXHのスペック
- 巻取り長さ(cm/ハンドル1回転):105
- ギヤー比:6.2
- 自重(g):240
- 最大ドラグ力(kg):12
- 標準巻糸量 ナイロン(lb-m):14-260、20-170、25-150
- 標準巻糸量 PE(号-m):2-350、2.5-300、3-210
- ベアリング(ボール/ローラー):6 / 1
- ハンドル長さ(mm):60
- ハンドルノブ仕様:パワーライトL
ちょうど、夏のシイラ釣りに使用するリールを探していたんですが、ちょっと大きめの5000番や6000番(リアル4機種では3500番と4000番に相当)もラインナップされていて、スペック的にはギア比・ラインキャパ・ドラグ力などが調度良い感じ。
シイラ釣りにはハイスピードギアが必須なので、ハンドル1回転105cmっていう回収スピードが最大の魅力でした。
ダイワも強いって自信持ってるみたいだし、じゃあ、「ダイワを信じて買ってみるか…」となったのがコレ⇓
18カルディアLT5000D-CXHの購入に至った経緯はこんな感じでした。
※詳細はこちらの記事へ⇓
【ダイワ18カルディアインプレ】LT5000D‐CXHの各部重量とサイズ18カルディアLT5000D-CXHの使用環境と使用感
今回カルディアを使用してきたのは、本来なら剛性を優先させたリールを使うべき環境。
軽さを追求してきた従来のカルディアの性格を考えると、あまり向かない用途です。
オフショアシイラゲーム
夏の相模湾シイラ釣りに、6回使用しました。メーターオーバーを2本掛け、あとは専らペンペン。
ラインはPE1.5号。ロッドはパームスのシーラプチャーSCGS-69L
タックルバランスは、シイラ用としてはライトな部類。
激しいアクションが必要なシイラゲームでも、その自重の軽さのおかげで腕の負担が少なく、快適。ドラグの出方もスムーズで、メーターオーバーのランにもしっかり追従していました。
ランカーシーバス便
ボートシーバスのランカー便に3回。
使用したのは、ルドラ120Sのジャークやビッグバッカー等の重めのバイブ。
ちなみに、このロッドではランカーは掛けておりません。70アップ数本と、イナダ一匹。
ロッドやラインは、シイラ釣りの時と同じく、パームスのシーラプチャーSCGS-69Lに1.5号PEラインです。
普段のシーバス釣り
5000番とはいえ、コンパクトなのでシーバス釣りにも使用してみました。これが3回程度。
リールが軽いだけあって、巻き感度が高く、滑らかな巻き心地が好印象でした。
ラインはそのままPE1.5号で、ロッドは8.5フィートMLクラスのシーバスロッドです。
メンテナンス状況
オフショアの釣りでは、少し波飛沫を被る事もあったので、その度に水洗いは欠かさず行っています。
毎釣行後、ダイワが推奨するマグシールド機の取扱いに沿ったメンテをしてきました。
決してマグシールド部への注油を行ったり、バラしたりはしていません。
酷使した(?)カルディアがどうなったか
カルディア導入当初は、「軽いし、巻き上げトルクもあるし、こりゃいいや!」と快適に使っていました。
回転も軽く滑らかで、ブレや不快なノイズも感じられず、結構気に入っていたのですが…
さて…半年間使ってみてのインプレです。
ギアはタフではない
使用回数は、僅か10数回の18カルディア。
で、どうなったのかですが…
ギアにゴリ感と、ハンドルのガタが発生…orz
ゴリゴリ・ガタガタという程では無く、神経質な人なら嫌がるかなという程度ですが…
スペック上は、ドラグMAX12kg・ラインキャパ2.5号300mと、青物向けの表記になっておりますが、そこまでの負荷は掛けていません。
ラインがPE1.5号なので、せいぜいドラグ2kg程度で使用していました。
魚を掛けてからの負荷よりも、激しいアクションで小刻みにハンドル回転のオンオフをした事の方が負担が大きかったと思います。
しかし、たった十数回程度の使用で、酷使したって程でも無いと思うんだけども…
ギアにゴリ感が出るとは、ちょっと期待外れではありましたね。
LTといえ、亜鉛ギアの素材の弱さが露呈?
今回のガタは、ドライブギアのクリアランスが拡がったことに由来する物と推測していますが、こんなに簡単にゴリ感が出てしまうのは、おそらく亜鉛という素材自体の弱さが露呈したのかなと思います。
ダイワCSの回答では、「素材が亜鉛でも、タフデジギアはジュラルミン製デジギアより回転耐久性は上」との事でしたが、少なくとも、僕が手にした18カルディアにおいては、強いとは言えない感じかなぁ…と。
6年間で500回以上シーバス釣りで使った、ジュラルミン製デジギアの12ルビアスが、ようやく少しゴリ感が出てきたという事を考えても、僅か使用十数回で、これだけ早くガタが出てきてしまったのは、やはり亜鉛製タフデジギアは弱いと結論付けるべきか…
【まとめ】やはりリール選びは適材適所で
18カルディアの良いところ
- 軽量で、激しく振り回しても疲れにくい
- 軽く滑らかな回転フィール
- スムーズなドラグ
- 巻き感度が高い
18カルディアのダメなところ
- ギアの耐久性が低い
- 最大ドラグ値がかかるような負荷は絶対ムリ
- 巻き心地に高級感は無い
今回18カルディアを使用してきたのは、比較的負荷の強く掛かる釣りです。
ただし、負荷はスペックの範囲内の上で、かなり余力も残して使用したつもりですが、やはりオフショアやライトショアジギング等には、専用に設計されたリールを使った方が良さそうですね…
剛性重視のモデルとして19レグザも発売されましたけど、ボディーの剛性がいくら高くても、亜鉛製のギアを使用している時点で、本当に耐久性があるのかは疑問です。
18カルディア購入した時はまだ選択肢が無かったのもありますが、今なら同価格帯で4000番以上を選ぶなら、剛性や耐久性重視のジュラルミン製ギアにアルミボディーを採用した18ブラストLTを選びます。
3000番以下でドラグも1kg以下の釣りで使用するなら、カルディアのコンセプトが活きてくるかと思います。
やはり、カルディアに剛性や耐久性を求めたら酷ってもんです。
「リール選びは適材適所で」ですね。