2019年1月9日、いよいよダイワHPのフィッシングショー特設ページにて19セルテートが発表となりました。
現行の16セルテートから、通常のモデルサイクル通りである3年でのモデルチェンジ!
そのモデルチェンジのポイントについて解説していきたいと思います。
※購入インプレはこちらの記事へ⇓
【ダイワ19セルテートLT4000-CXH購入】各部重量とファーストインプレContents
ダイワ19セルテート発売!
「圧倒せよ。軽々と操れ。」
参照:Daiwa
かねてから、その剛性と耐久性においてアングラーから絶大な信頼を得ていたスピニングリール「セルテートシリーズ」
その剛性がウリのセルテートが、今度は軽さをも手に入れて生まれ変わりました。
発表されたそのデザインは従来のブラックとゴールドの配色から一転し、ブラックとシルバー主体で、ゴールドはスプールエッジ部分だけに留められた落ち着いた配色に。
動画も発表されていますので、併せて御覧ください⇓
LTコンセプトの仲間入り!
参照:Daiwa
今回19セルテートも例外にもれずLTコンセプトとして登場してきました。
LTとは「Light&Tough」の略で、軽さと強さという相反する要素を融和させ、2018年から始まったコンセプト。
※詳しくは別記事にて解説しています⇓
【ダイワLTコンセプト】18カルディア/フリームスと17セオリーを徹底比較!今までの強さを重視していたセルテートだけに、これを軽くするというのは無理だと思っていたのですが、次のスペック表を見ると本当にLTコンセプトと名乗れるだけの軽さを手にしたようです。
19セルテートのラインナップとスペック表
LT2500番~LT4000番までのサイズ構成
今回発売予定なのはLT2500番~LT4000番代まで。
16モデルでは小さな1000番や2000番も設定されていたのに対し、特に剛性の求められる中型機に絞ったサイズ構成となっています。
ダイワの特設サイトではまだ全モデルの一覧表が無かったので作成してみました。
型番 | スプール径 | 標準糸巻量 | 自重(g) | ギヤ比 | 最大ドラグ力(kg) | ベアリング(ボール/ローラー) | ドライブギヤ径 | ハンドル長(mm) | ハンドルノブ形状 | 価格 | |
ナイロン | PE | ||||||||||
LT2500S | φ45 | 4-150 | 0.6-200 | 205 | 5.2 | 5 | 10 / 1 | φ32 | 50 | I型 | 48,500 |
LT2500S-XH | φ45 | 4-150 | 0.6-200 | 205 | 6.2 | 5 | 10 / 1 | φ32 | 55 | I型 | 48,500 |
LT2500-H | φ45 | 6-150 | 0.8-200 | 205 | 5.7 | 10 | 10 / 1 | φ32 | 55 | I型 | 48,500 |
LT3000-CXH | φ48 | 8-150 | 1.0-200 | 210 | 6.2 | 10 | 10 / 1 | φ32 | 55 | T型 | 48,500 |
LT3000S-CH-DH | φ48 | 6-150 | 0.8-200 | 220 | 5.7 | 10 | 10 / 1 | φ32 | 90 | パワーI型 | 49,500 |
LT3000 | φ48 | 8-150 | 1.0-200 | 225 | 5.2 | 10 | 10 / 1 | φ35 | 60 | ラージI型 | 49,000 |
LT3000-XH | φ48 | 8-150 | 1.0-200 | 225 | 6.2 | 10 | 10 / 1 | φ35 | 60 | ラージT型 | 49,000 |
LT4000-C | φ51 | 12-150 | 1.5-200 | 235 | 5.2 | 12 | 10 / 1 | φ35 | 60 | ラージT型 | 49,500 |
LT4000-CXH | φ51 | 12-150 | 1.5-200 | 235 | 6.2 | 12 | 10 / 1 | φ35 | 60 | ラージT型 | 49,500 |
16モデルのHDは「セルテートHD」として併売
16セルテートからあった3500番と4000番のHDモデルは、モデルチェンジされずにそのまま併売となるようです。
ダイワ公式の16セルテートのページは、「セルテートHD」と変更されていました。
ダブルハンドルモデルも
参照:Daiwa
今回は待望のダブルハンドルモデル(LT3000S-CH-DH)もラインナップされています。
エギンガーには特に歓迎されそうです。
19セルテートの素材構成
19セルテート各部の素材は以下のとおりです。
- ボディー:アルミ(モノコック)
- ローター:ザイオン
- ギア:アルミ(冷間鍛造)
- メインシャフト:SUS
- スプール:アルミ(鍛造)
- ハンドル:アルミ
素材構成はほぼ従来通り。
全体的に剛性が高いアルミを中心に構成されています。
19セルテートに搭載のテクノロジー
フルモデルチェンジとなった19セルテートには新しい技術が沢山つめ込まれています。
その技術の見どころを解説していきましょう。
次世代型ボディーMONOCOQUE
参照:Daiwa
セルテートのモデルチェンジの目玉となるのが、このボディー部分!2010年モデルから3世代に渡り使いまわしてきた本体も、いよいよ次世代型へと刷新されました。
ボディーにフレームとしての機能を持たせ、一つの部品で構成されたというモノコックボディーが全機種に採用。素材は剛性のセルテート伝統のアルミです。
参照:Daiwa
18イグジストにも採用された、巨大なエンジンプレートによって挟み込まれた新型ボディー
イグジストとよく似た形状のモノコックボディーですが、イグジストでは残されていたストッパーを排除。
参照:Daiwa
そして、内部ではオシレーティングスライダーの位置がメインシャフト上部に移動され、より負荷がかかった時のネジレに対する剛性と耐久性が向上しているとのこと。
軽さより剛性のセルテートの特徴を大切にした設計となっています。
新型ボディーの恩恵
この新型ボディーから生まれるメリットには、次のようなものがあります。
フレーム一体成型のため、従来継ぎ目で発生していたタワミなどのパワーロスが無い。
素材特性としてマグネシウムの約1.3倍の強度を誇るアルミを採用したことで、イグジストをも上回る高剛性を実現。
ボディーパーツを繋ぐビスが不要になるため、その分のスペースを活かすことができる。
そのおかげで、従来よりコンパクトになったボディーにもかかわらず、さらに大きなギヤを格納することが可能になりました。
従来型だと、せっかくマグシールドで武装しても継ぎ目から水が進入するリスクがあったが、モノコックなら1パーツ構成だからそもそも継ぎ目が無い。
18イグジストにはあったストッパーも排除したことで、さらに防水性を高めています。
アルミ製冷間鍛造マシンカット大径タフデジギア
参照:Daiwa
モノコックボディーの恩恵で内部スペースが大幅に増大された19セルテートには、大型の冷間鍛造アルミ製の強靭なマシンカットタフデジギアが採用されました。実に、ボディー面積の実に85%を占めるサイズです。
18イグジストでも実証されている通り、大幅な巻き上げトルク増大と耐久性が向上することになり、歴代セルテート最強のギヤとなることは間違いないでしょう。
マグシールド
参照:Daiwa
もはやダイワの代名詞となっているのマグシールドも例外なく採用。
お馴染みのピニオン部は勿論、ラインローラーにはマグシールドベアリングを配置(2BB)。
ザイオンエアローター
参照:Daiwa
今回も軽量高感度高剛性のザイオンエアローターが採用されていますが、モノコックで小型化されたボディーに合わせて、ローター回転半径も縮小されたとのこと。
そして、このローターにはシームレスエアベールを採用。つなぎ目が無い一体成型で、コンパクトになっている新形状ベールです。
LC-ABSスプール(アルミ鍛造)
参照:Daiwa
LTコンセプトでは、イグジストをはじめカルディアやフリームス等も全て薄肉化されたアルミスプールが採用されてきたのですが、今回セルテートは薄肉スプールではありません。
あくまで剛性に特化したモデルとして(?)アルミ鍛造タイプのLC-ABSスプールが採用されていますが、十分に軽いスプールとなっています。
LC-ABSスプールは、従来より飛距離が約5%UPし、トラブルも減ったという新形状スプールです。
その他の技術
大径ドラグノブ&ATD
参照:Daiwa
16モデルから採用されている魚の動きに滑らかに追従するATD(オートマチックドラグ)。
ドラグノブも大型化され、とっさの操作にもリニアに対応できるように進化。
パーフェクトラインストッパー
参照:Daiwa
極細~極太まで、どの方向からでもラインをクリップできる素敵なストッパー。
使用方法の誤解からあまり評価されていない感のあるこのパーフェクトラインストッパーですが、その特徴については別記事にしてみました⇓
【実は凄い!】ダイワ・パーフェクトラインストッパーの正しい使い方マシンカットハンドル/ハイグリップ軽量ハンドルノブ
参照:Daiwa
形状の見直しで剛性を確保した上で軽量化を実現した新型ハンドル。
ハンドルノブは2BB仕様になっています。
2BB仕様ラインローラー
参照:Daiwa
2BB仕様により、高負荷時にも安定した回転を実現。マグシールドベアリング採用で水の侵入をシャットアウト。
もちろん、お馴染みの糸ヨレ防止形状「ツイストバスターⅡ」となっています。
16セルテートとのスペック比較
型番 | 標準糸巻量 | 自重(g) | ギヤ比 | 最大ドラグ力(kg) | ベアリング(ボール/ローラー) | ハンドル長(mm) | ハンドルノブ形状 | 価格 | |
ナイロン | PE | ||||||||
16セルテート3012H | 12-150 | 1.5-200 | 270 | 5.6 | 7 | 10 / 1 | 60 | ラージT型 | 45,200 |
19セルテートLT4000-CXH | 12-150 | 1.5-200 | 235 | 6.2 | 12 | 10 / 1 | 60 | ラージT型 | 49,500 |
約13%の軽量化を実現
16セルテートより重量が35gも軽くなり、実に13%もの軽量化に成功です。
しかし、それどころか、ザイオンボディーにDS5ローターの15ルビアス3012Hが250gなので、実はルビアスよりも軽いという事に…
まさかの軽さでのルビアス超えには驚きました。ここまで軽量化できるとは正直思っていなかったので…
ドラグ力UP
最大ドラグ力が7kg→12kgに。
大型魚との強引なパワーファイトにも不安なく対応出来そうです。
19セルテートに欠点は…?
基本的には期待通りの進化で死角無しに思えるのですが、あえて欠点をあげるとしたら次の部分でしょうか…
16セルテートにあったメインシャフト部のマグシールドベアリングは、残念ながら今回はカット。
モノコックにストッパーレスのボディーのおかげで、それだけで高い防水性を実現とのことですが、これさえ有ればカンペキでした。 ただ、これは上位モデルイグジストに対する配慮として仕方がないのかもしれませんね…
ビスが排除された巨大なエンジンプレートは、メーカー側が所持する専用工具が無いとバラせない構造に。
これにより、今まではバラそうと思えばバラせた本体は一切手をつけられないため、定期的なメーカーオーバーホールは必須となりそうです。
従来より4,000円以上価格が上がってしまっています。
新技術多用のフルモデルチェンジに加え、先日既存品も含めた値上げの発表があった通り、原材料費や輸送費の高騰も理由にあると思われます。
19セルテートの発売日は?(※一部番手発売開始!)
参照:Daiwa
2500番ボディーの2500と3000Cは3月下旬現在、販売開始されました!
LT2500S
LT2500S-XH
LT2500-H
LT3000-CXH
LT3000S-CH-DH
※3000番ボディーの3000と4000Cは4~5月頃入荷予定とのこと。※1/18現在、既に受注が沢山入っているそうで、予約しないと当分入手困難となりそうだとのことです。
【※追記】フィッシングショーで19セルテートを見てきたぞ
フィッシングショーで、19セルテート実機に触れてきました。
ちょうど開発者の大玉さんがいたので、いろいろとお話も伺ってきましたよ。
主張し過ぎないシンプルなデザイン
WEBで見た時は、ボディー部分は黒とだと思っていましたが、実際は青みがかった濃いグレー。
スプール上部は少し淡い色になっています。
16セルテートと違い主張し過ぎないので、どんなロッドにも合わせやすい落ち着いたカラーリングが好印象です。
軽く高剛性、そして滑らか
実機に触れた感想としては、「とにかくセルテートらしからぬ軽さ」
今までのセルテートとは比較にならない程の重量で、持った瞬間に思わず「えっ?」と声が出てしまう位。
巻き感も恐ろしく軽く、全くブレの無いシルキーな巻き心地です。
そして、モノコックボディーの剛性感ハンパない!
手に持っただけで剛性感が伝わってきます。
ちなみに、ローター逆転スイッチが排除されたとはいえ、防水性ではマグシールドBBを採用しているイグジストには敵わないそうです。
とはいえ、完全に水没させてしまうようなシュチュエーションで無ければ、多少波を被るくらいは全然問題ありませんとのこと。
スプール構造と互換性について
スプールを外してみたところの画像です。
イグジストや他のLTリール程では無いにしろ、かなり贅肉が削ぎ落とされていて十分すぎる軽さです。
スプール軸受けとスプール内のBBはカラーに変更されています。
ハンドルノブにBBが入った分、コストカットされた部分ですが、カラーはBBに交換可能です。
さらに滑らかなドラグが欲しい方は其々でチューンして使いましょう。
【19セルテートのドラグを高性能化!】フルベアリング化キットが発売(MAX12BB)ちなみに、イグジストとスプール互換があるので、オプションパーツとしてSLP EX LTスプールが適合します。
※ダイワのHPではまだイグジスト専用と表記されていますが、2019年版WEBカタログでは19セルテートも適合に追加されております。
ハンドルも軽量高剛性に
ハンドルも軽くなっていますが、従来より角の立った形状のおかげか、カッチリしており強度に不安感はありません。
開発に携わった大玉氏も一押しの19セルテート。
これは、贔屓目無しで完全に買いなリールですね。
19セルテート進化のまとめ
タフな使用にも耐える高い剛性と耐久性を持ち、多くのアングラーから絶大な信頼を得ているセルテート。
今回の19セルテートの進化と特徴をまとめると、
- 最強クラスの剛性を確保
- 軽量化に成功
- 巻き上げトルク増
- 防水性向上
- 耐久性向上
- 飛距離向上
と、ほぼ全てにおいて進化を果たしています。
「より強く、より軽く」と、まさにLTコンセプトを象徴するかのようなリールに生まれ変わった19セルテート。
個人的に最も待ち望んでいたスピニングリールですので、発売が非常に楽しみです♪