【AIが釣りを変える!】人工知能搭載で自動的に魚が釣れるルアーが登場(2018年4月1日)

シマノ社のデジタルコントロールブレーキの進化をはじめ、釣り具業界にもいよいよ電子制御を用いた技術革新の波が迫っている。

そんな中、AIを搭載して自動的に泳ぎ、自ら魚を探して獲りに行くというルアー「AI-Xサイクロン」がMegaboss社から発売されることになった。

AI搭載ルアー「AI-Xサイクロン」の特徴

<画像はプロトタイプ>

AI(人工知能)を搭載して自動的に動くルアーとしては、昨年発売になったe-Minnowという商品が記憶に新しいところですが、今回新たに発売される事となったAI-Xサイクロンは、センサーで魚の存在を捕捉し、自発的に泳いで接近していくという物。

そして、一定の距離まで接近したところで、自動的に姿勢を崩して食わせの間を作り出すようにプログラムされている。まさに、魚がバイトするに至るまでの動作が、ほぼオートメーション化されたのである。

さらに、専用のスマートフォンアプリをダウンロードして接続することにより、対象魚種に合わせた動きのプログラムを選択できる他、本体に内蔵されたカメラからの水中の画像を通信でリアルタイムに確認することができるようになり、魚がバイトする瞬間も視覚的に楽しめるようになったという。

今回、このAI-Xサイクロンの開発主任であるMegaboss社の卯月一(うづきはじめ)氏にお話を伺いました。



AI-Xサイクロン 開発者インタビュー

世界初の本格的AI搭載ルアー「誰にでも釣れる」を目指し、新しい釣りのスタイルを提案

 

——— 今までのルアーフィッシングの固定概念を覆す、人工知能を持ち、自ら魚に食われにいくルアー

AI-Xサイクロン開発主任、卯月一(うづきはじめ)氏。趣味は競馬

坂本:今回、世界でも初めてとなる本格的なAIが搭載されたルアーが発売されるということですが、まずは具体的にどのような商品か聞かせてください。

卯月:はい。実はAIを搭載したルアーは既に商品化されている物も存在していたのですが、今回弊社から発売されるのは、ルアーから自発的に魚を探して接近し、口を使わせに行くという全く新しい物になります。

採用しているAIや各種センサー、バッテリー、動力部品等などは、かなり小型化ができたと自負しておりますが、これら全てを搭載するには少し余裕のある空間が必要でした。当初はボディーも新開発する予定だったのですが、たまたま既存のルアーに条件がぴったりとくる物があったんですよね。それがサイクロンというブラックバス用のルアーでした。

AI-Xサイクロンの心臓部。この小型ボディー内部にその機能を収納した技術に驚く

既に生産が終了している商品ですが、根強いファンの方々から再販を望む声も多く頂いておりまして、今回AI搭載ルアーとして復活させることにしました。

それと、もう一つの理由ですが…内情をお話してしまうと、元々この商品の企画も社内ではイロモノ扱いされていましたから、恥ずかしながら予算も十分とは言えず、既存のボディーを流用することで、少しでも多くの予算を機能の充実に費やしたかったというのが正直なところです。

坂本:なるほど。釣り具業界も決して好景気とは言えないですからね…「自発的に魚を探して泳ぎ、喰われにいく」ということですが、一体どのような仕組みになっているんでしょうか。

卯月:具体的には、ルアー前方に搭載したソナーを用いてターゲットを検知します。ソナーに反応があると、AIがシルエットや動き、サイズなどから魚種を判断。ターゲットを捕捉すると、流速センサーによって流れを検知して、最適な推進力計算を常時行いながら、後部に設置したマイクロモーターによって推進し、ターゲットに接近します。

コンパクトながら河川の激流にも逆らって泳ぐ。高出力を誇るマイクロモーターと小型スクリュー

ターゲットに一定の距離まで接近したところで、予めプログラムされていた挙動変化を自動的に行い、魚に口を使わせるというものです。

坂本:なんだか凄いですね…自動的に泳いで獲物に近づくという事は、キャストは不要ということですか?それともある程度キャストしたほうが良いのでしょうか?また、それだけの精密な構造では着水時などの衝撃が心配ですが、その辺り大丈夫なんでしょうか…

卯月:まず、キャストですが、通常通りに行っていただいても大丈夫です。水面に叩きつけられたとしても内部が損傷しないように十分に耐久テストを行っていますのでご安心ください。ただ、コンクリートの壁など、ストラクチャーにぶつけるのはNGです。

坂本:なるほど、それを伺って安心しました。やはり、遠方の魚を探すにはキャストした方が効率が良さそうですもんね。

卯月:はい。キャスティングも釣りの楽しみの一つですし、メジャーポイントでは、プレッシャーからより沖の方に魚も避難していることも多いですから、その方が効率もいいですね。ただ、全くキャストも出来ないような初心者の方にも、魚のファイトを楽しめるよう、足元に着水さえすれば勝手に泳いでいくようにはなっています。

坂本:そうなると、使用するタックルはどのような物がいいのでしょうか?

卯月:基本的に何でも対応はできますが、ラインをフリーで送り出しつつバイトがあったらアワセる必要がありますので、ベイトタックルやレバーブレーキリールなどが使いやすいと思います。

坂本:となると、ベイトタックルが一番使いやすそうですね。ルアーは自動的に動くとのことですが、やはりアワセは必要なんですね?

卯月:はい。さすがにフッキングまで行えるほどの推進力は、このルアーに搭載されているマイクロモーターでは実現出来ませんでした。とはいえ、バイトを掛けるのも釣りの醍醐味ですからね。

ただ、感覚だけに頼ってバイトをとるのは初心者には大変だと思います。なので、視覚的にバイトを確認できるよう、ルアーにはカメラを搭載しています。

ボディー前方には小型CCDカメラをはじめ、流速や距離等の検知に必要な各種センサーが配置されている


スマートフォンと接続できる

卯月:このルアーはスマートフォンとワイヤレス接続できるようになっています。ルアーに搭載されたカメラの画像は手元のスマホ画面で確認できる仕組みになっているんです。

坂本:画面を見ながら、魚が襲いかかってきたらアワセればいいと

卯月:そうですね。スマホの釣りゲームのような感覚でお楽しみいただけるかと思います。スマートフォンとの接続は、ルアーのプログラムの設定などを行う際にも必要になります。購入者には専用のアプリ(iOS/Android対応)を無料で配布しておりますので、そちらをダウンロードしてからお使いいただく事になりますね。

坂本:それは凄い!今ままでゲームでしか釣りをしたことが無い方にも、そのゲームの延長にある感覚で実際の釣りができるというわけですね。

卯月:現在釣り人口は減少していると言われています。少子化の影響も考えられますが、特に若い世代のアウトドア離れは深刻でして、そういった層にも、生きている魚を釣る楽しさを知ってもらうきっかけになればという思いもありますね。

坂本:確かに。新たに釣りをする人が増えないと、釣り具業界も立ち行かなくなってしまいますもんね…これから釣りを始める人も、ベテランのアングラーにも、新鮮な体験ができるルアーになっていると感じます。ちなみに、まだ発売前ではありますが、今後の課題として考えている事はありますか?

卯月:そうですね。現時点では、小型化されたとはいえ比較的ファットなボディーであるサイクロンにパーツを収める事が限界でした。今後、さらに小型化の技術が向上すればより小さなボディーに機能を集約できる。そうなれば、トラウトやメバル等も対象魚種として幅が広がります。

小型化が進めば、例えば春のクルクルバチパターンにも対応させることが可能になります。定位置でクルクルと円や八の字を書くようにトリッキーな動きをしているクルクルバチには、通常のルアーではどうしても対応しきれなかった。これが、AIを使って自動的に動くルアーであれば、プログラム次第で簡単に動きを再現することが可能になります。

坂本:難攻不落といわれたクルクルバチを偏食するシーバスを、初心者でも簡単に獲る事ができるようになるわけですか。それは凄い…

卯月:現時点ではスマートフォンアプリは、予め対象魚種毎に設定されたプログラムの切り替えと、水中カメラの視覚情報を確認できる事のみなんですが、例えば、今後はスマホからのリアルタイムでのルアー挙動の遠隔操作もできるように開発を進めています。

例えば、対象魚をカメラで確認したら、こちらからスマホの画面を操作することでアクションを仕掛けてバイトに持ち込む。そうすれば、「ルアーの力で釣れた」ではなく「自分で操作して釣った」という感覚も増しますし、ゲームのようにスマホ画面を操作するだけで実際の魚が釣れてしまうわけですから、まるでスマホ画面から魚が飛び出してくるような楽しさも得られるわけです。これは、発売時点ではまだ未搭載の機能ですが、今後バージョンアップにて対応させる予定でいます。

坂本:なるほど。スマホゲームでキャッチした魚が、現実の魚となるような感覚ですね。ところで、遠隔操作はバージョンアップにて対応との事ですが、それはどのように行うのですか?

卯月:はい。ルアーのお腹のところにmicroUSBのポートがありますので、そこにUSBケーブルを接続して、パソコンから更新が出来ます。スマホによる遠隔操作だけでなく、さらに対象となるベイトごとに違う動きを再現できるような細分化されたオートプログラムも配布予定でして、現在、主なベイトフィッシュの動きを解析してデータ化しているところです。

坂本:それは凄いですね。もう、このルアー一つあれば、あらゆるベイトに対応できるというわけですか。それなら、タックルボックスの中もスッキリしそう。私のボックスも、あらゆるシチュエーションに対応できるように、沢山のルアーでギッチギチに詰まっていますから(笑)

卯月:そうですね…弊社のルアーだけでも、各一個ずつ持って行くとしてもボックスが3つは必要になりますからね(苦笑)

ルアーとしては、現時点では価格も非常に高いと言えますが、それらのルアーを全部揃える金額を考えたら、かなりお安くなっていると思います。今後、全国で体感イベントなども企画していきますので、是非、実際に試していただけたらと思います。

坂本:楽しみにしています。本日はありがとうございました。


さいごに

まさに釣りという遊びをスマホゲーム感覚で行うことができるというAI-Xサイクロン。今後の釣りのやり方自体を変えてしまう革新的な商品だ。

対象魚種は、シーバス・ブラックバスなどで、今後プログラムのアップデートにより対象魚種も増えるとのこと。価格は89,800円(税抜)

残念ながら初回生産分は既に予約で完売しており、次回生産は未定という。

AI搭載では無いが、ベースとなったサイクロンオリジナルモデルはネットショップで入手が可能となっている。

AI搭載ルアー「AI-Xサイクロン」の次期生産と、今後のバージョンアップに期待したい。

 

2018年4月1日 釣リズム編集部

 

 

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