2019年2月9日(土)は、23区も積雪の予報が出ています。
不慣れな都会っ子は車に乗らないことが一番ですが、そうも言っていられない事情もあると思います。
雪の中、車を運転するための対策をまとめてみました。スキー・スノボなどのウインタースポーツや、ワカサギの氷上釣りなどに行く方も必見です。
Contents
ノーマルタイヤでの雪道走行は道路交通法違反に
「四駆だから」は通用しない
「うちの車は四駆だから大丈夫~」とか思っていませんか?
確かに、2輪駆動車よりも多くのタイヤに制動時の荷重が分散する4WD車は、発進時にタイヤが空転しにくいというメリットはありますが、止まる時は一緒です!
昔、レガシィに乗っていた時に駐車場内で試してみたことがありますが、バリ山のノーマルタイヤ(サマータイヤ)でもマジで止まらないです!
これは、運転の慣れ不慣れ上手い下手関係なく、ABSや横滑り防止装置が付いていてもダメ!
ノーマルタイヤでの雪道や凍結路走行は絶対にやめて下さい!
違反すると反則金6000円~
画像引用元:日本自動車タイヤ協会公式サイトより
道路交通法第七十一条、運転者の遵守事項の六号に
「道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」
というものがあり、各都道府県の公安委員会によって定められた積雪や凍結した道路でのルールがあります。
ちなみに、普通車の反則金は6,000円となっております。
もし、サマータイヤで走行して事故でも起こしたら、重過失を問われ、より重い罪になる恐れもありますので、絶対にやめましょう。
雪道を安心して走行するための対策
降雪時に運転しなければならない時のグッズや対策法を紹介します。ちなみに、記事の下の方に行くほど緊急性が高くなっていますので、今まさに困っている方は目次から下の方に飛んでください。
スタッドレスタイヤ
やはり、スタッドレスタイヤ(スノータイヤ)が一番です。違法な運転をしなければ、通常の使用環境ではノーマルタイヤと同じように走行ができ、乗り心地もとても良い(ノーマルタイヤに比べれば少し落ちますが…)。
面倒な高速道路の滑り止め装置規制関門もそのまま通過できるし、雪国の人や、スキー・スノボに行く人は必須アイテムです。
ただし、基本的にスタッドレスタイヤはシーズン前に準備しておくべきもの…
昔、カー用品店で働いていたことがありますが、雪予報が出るとタイヤコーナーは大混乱でした。
オートバックスのようなカー用品店では、積雪予報が出るとあっという間に売り切れです…
店内に在庫を保管できるスペースが限られるので、車によってサイズを豊富に在庫しておくことは不可能ですから。
それに、そのシーズンに都心でチェーンが必要なほどの雪が降るかどうかは神のみぞ知るところなので、いちかばちかで大量発注するのはまさにギャンブル!なので、普通はやりませんよね。
なので、雪の予報が確実になりつつあるタイミングでお店に行っても、買えるかどうかわかりません…
交換作業も組み込みはタイヤチェンジャーがないと自力では出来ないため、長時間の作業待ちを強いられることになります。(実際に、作業受付を早い時間に締め切り、それでも作業時間は延長して深夜までやっていました)
ガソリンスタンドでも売っていますが、かなり割高です。
最近では、タイヤを取り寄せて、近くのスタンドで取り付けをしてくれるTIREHOODのようなサービスも出てきています。
あのカー用品店の作業待ち時間を考えたら、嬉しいサービスです。タイヤも全て保証付きらしい。
スタッドレスタイヤでの走行での注意点
スタッドレスタイヤの使用時に注意すべき事がいくつかあります。
いくらスタッドレスを履いているといっても、通常の乾いた舗装路と同じ感覚で雪上や凍った路面を走行することはできません。
急制動はさけ、停止時にも通常の3倍くらいの距離をかけて止まるイメージでブレーキをかけるようにして下さい。
スピードを出し過ぎないことと、先行車両から車間距離を長~くとることが大切です。ビクビクするくらいで丁度いいんですよ。できるだけソロ~リと動くように心がけましょう。
スタッドレスタイヤには寿命がある
こんなにひび割れてたら論外…
せっかく高価なスタッドレスを買っても、寿命があるんです。タイヤは経年により劣化して固くなって行きます。
スタッドレスタイヤが本来の性能を発揮できるのは、製造から3~4年と言われています。あまり使っていないからと、溝は十分にあったとしても、しっかりとしたグリップが得られなくなっているものもあるので、ご注意ください。
スタッドレスでも走行できない規制がある
メリットしかないようなスタッドレスタイヤですが、それでも走行できない状況はあります。
高速道路のチェーン規制は、通常はスタッドレスでも走行可能ですが、状況によりスタッドレスでもチェーンを装着しないと走行させてもらえない規制が出ることがあります。
高速道路もそうですが、特に豪雪時や、ツルッツルに凍ったアイスバーン状態、山道などの傾斜路ではチェーンでないと走行できない場合もあります。
タイヤチェーン
タイヤチェーンは、やはり最強の滑り止め装置です。
チェーンを装着していないと通行できない、本当の「チェーン規制」にも対応するために是非持っておきたい物です。
チェーンは、タイヤサイズごとに専用のサイズを選ぶ必要があります。
カー用品店では、店内に在庫を保管できるスペースが限られるため、車によって異なる全てのタイヤサイズに合うチェーンを豊富に在庫しておくことは不可能です。
なので、雪の予報が確実になりつつあるタイミングでお店に行っても、おそらく買えません…
そこで、活用すべきなのが、アマゾン・楽天・Yahoo!ショッピング等のネット通販です。
ネット通販なら、在庫を豊富に持っているお店が多いし、アマゾンのお急ぎ便なら、最短当日か翌日には配達されます(商品によってもっと納期がかかる場合もアリ)
自分の車のタイヤサイズの調べ方
チェーンを購入する際のタイヤサイズの見方なんですが、
タイヤの側面に、このような数字が並んでいませんか?
このタイヤの場合は
205/55 R16
これがチェーンを選ぶ際に必要な数値です(他は今回省略します)。
ちなみに、この数字が表すのは
205(幅)/55(扁平率)R(タイヤの構造)16(リムの直径)
という意味になります。
ただし、稀にチェーンが装着できない車種やタイヤもありますので、不安であれば製造メーカーに確認するのが安心です。
タイヤチェーンの種類
金属製タイヤチェーン
価格が安いのは、旧来の金属チェーンです。ただし、とにかく取り付けが大変。正直、雪の中かじかむ手でチェーン取り付けをするのは、それだけでクルマに乗る心が折れ、諦めて車中泊しようかと思うくらい。スムーズに取り付けできるよう、事前に練習しておきたいものです。
騒音や振動も大きいので、舗装路の走行は路面にも車にもダメージを与えるのが難点ですが、とにかく安いので緊急用として積んでおくといいです。高速道路のチェーン規制や、スタッドレスは履いているけど、雪が深く積もった山岳路を走行する際には活躍します。
非金属式タイヤチェーン
価格は少々高めですが、できれば簡単に取り付けができる非金属式のものがおすすめ。車を移動させずに簡単にロックできる物もあります。乗り心地も、金属製に比べたら当然いい!
とはいえ、スタッドレスに比べるとやはり振動も走行音も大きい事には変わりありません。金属製チェーン同様、舗装路の走行は車にもダメージを与えるので、できるだけ雪道のみで使用し、乾いたアスファルト路面では外すようにしましょう。
ウレタン製分割式チェーン
アルミホイール装着車専用なのですが、こんなタイプも出ています。
ウレタンなので耐久性に不安がありますが、取り付けが超簡単でしかも安いです…
たまに雪が降った時にしか使わないという多くの都会人にはピッタリかも。
タイヤにかぶせる簡易タイプ
「オートソック」や、ニューイングの「タイヤカバー」などの、布製の文字通りタイヤの靴下みたいな商品があります。
これは、タイヤ全体にかぶせるだけという非常に簡単な物なんですが、圧雪路での滑り止め効果は非常に高く、また、布製なので、チェーンと較べて乗り心地が良いというメリットがあります。
ただ、デメリットとしては、乾燥した舗装路での耐久性と、高速道路のチェーン規制は通らない可能性があるということ。
このチェーン規制について補足しておくと、『チェーン等滑り止め装置の装着』を義務付けるものなので、オートソックも基本的には通るそうです。
ですが、現場係員の判断により、従来のスタッドレスやタイヤチェーン以外はNGと言われる可能性もあるので、確実にとは言い切れないところ…
緊急走行用グッズ
ZipGripGo (ジップグリップゴー)
ジップグリップゴーという使い捨てのチェーンのような商品も出ています。
これは、タイヤに巻きつける結束バンドのようなもので、簡単に取り付けができ、走行後はニッパーで切って廃棄します。
アルミホイール専用となっているので、スチールホイール装着車には使用不可です。
走行は5km以下で。勿論高速のチェーン規制は走行不可。あくまで緊急脱出用のツールです。
スプレー式チェーン
スプレーでタイヤに吹きかけるだけで雪上でのグリップ力を発揮する、究極に簡単な便利グッズも発売されています。
ただし、使い捨てチェーンと同じく、高速走行や長距離走行は出来ません。勿論、チェーン規制も通りません。あくまで緊急脱出用ツールですが、価格も安く、場所もとらないので、もしもの時用に積んでおくだけで安心感が違います
できればあまり使いたくない緊急テク
何も対策用品を持っていない場合の対処法です。
タイヤに負担がかかる場合があるので、本当の緊急時のみに試すようにしてください。
空気圧を落とす
雪が積もった時の本当の緊急対策ですが、タイヤの空気圧を落とすことで接地面が増えグリップ力が高まります。
ただし、雪が深く積もった時にゆっくり走行するという条件での緊急対策です。通常のように走行しようとすると、タイヤの側面に深刻なダメージを与えることがあり、最悪はタイヤがおシャカになります。
ポンプを使用して空気圧を見ながら落とし、舗装路では空気を補充しましょう。
ただ、空気入れは結構高いので、ゲージなら数百円程度。
圧力を見ながら簡単に空気を抜くことが出来ます。
エーモン エアゲージ(ラバープロテクト付) 最大測定値500kPa 6781
ただし、ゲージでは空気を抜くことは出来ても入れることはできないので、空気圧を上げるにはガソリンスタンドなどで空気入れを借りる必要があります。
ちなみに、本当の本当の緊急時、ゲージなんて持ち合わせていない状況であれば車のキーやボールペンなどを使ってバルブの中の突起を押してあげると強制的にエアーを抜くことが出来ます。
ただし、空気圧は勘になるので抜きすぎると走行不能に…くれぐれも自己責任でやってくださいね。
本当に困ったらJAFに救援依頼を
自分ではもはやどうにもできないと思ったら、プロに電話で救援を依頼するしかありません。
ただし、雪の日はJAFも大忙しです。通常よりかなり時間がかかることは覚悟しておきましょう。
それと、非会員はかなり高額な作業料金を請求されるので、事前に会員に登録しておく事をおすすめします。
雪道を安全に運転するための原則
絶対に急制動しないこと
とにかくこれに尽きます!
急発進、急ブレーキ、急ハンドルをしないことは勿論、加速やブレーキに使う距離も通常の3倍位かける意識で運転しましょう。
つまり、スピードを出さないことです。スタッドレスやチェーンを装着しているからと言って、通常通り運転できるというわけではないので、過信しないことです。
番外編
雪の日に、一晩車を止めておいたら凍ってドアが開けられない…
ガラスもカチコチ…ワイパーもそのまま動かしたら壊れます。それ以前に、前が見えないので運転出来ません。
そんな時に備えておきたいのは解氷スプレー。車に積んで備えておきましょう。